見直されるオンプレミス5つのメリットとクラウドとの違い12項目

オンプレミスとは、自社でシステム運用するために必要なハードウェアやソフトウェアを保有し、「on the premises(敷地)」で運用管理することです。よく比較されるのは、クラウドで、この場合自社でハードウェアなどを自社で保有しない運用です。

オンプレミスとクラウド

自前で、サーバーストレージやソフトウェアを調達するオンプレミスでは、初期費用や運用開始、保守管理の費用がかかってしまいますが、自社システムとの連携やセキュリティといったさまざまなメリットもあります。

ある弊社のお客様では、セキュリティ攻撃を抑えるために、自社内から基幹システムは外(インターネット)には一切出さず、クラウドも活用予定はないというお話を伺いました。実は、支店をお持ちではなかったため災害対策としてクラウドの提案をしたのですが、インターネット経由のデータ保存は、サイバー攻撃から自社のデータを守るために方針変更はしないとのことでした。

ここ数年のランサムウェアなどの攻撃はクライアントPCへの攻撃だけではなく、インターネットを通じてアクセスポイントの攻撃を受けることも多く報告があります。オンプレミス環境の運用なら、セキュリティを高め、攻撃のポイントを最少化することができると言えます。

[オンプレミスとクラウドの12項目比較]オンプレミスとクラウド12項目の比較

上図の「オンプレミスとクラウドの比較」の詳細は、3章でまとめています。

この記事では、オンプレミスとクラウドを徹底比較することで、自社のシステムには、オンプレミスとクラウドのどちらが適しているか、ご判断いただけるようになっていただけると考えますので、最後までお付き合いください。

まずは、オンプレミスのメリットとデメリットを見ていきましょう。

1.オンプレミスのメリット/デメリット

システムのすべてを自社で運用するオンプレミス具体的なメリットやデメリットをご紹介します。
オンプレミスを利用するメリットは、以下の5つです。

1-1. オンプレミスのメリット

オンプレミスの5つのメリット

・セキュリティが高い

オンプレミスでは、高度なセキュリティを実現できます。
外部からのアクセスを制限し自社内で管理できるため、システムの構築から運用までを安心してできます。機密情報などを扱うシステムやバックアップデータを自社内に配置することで安全の確保ができます。

・カスタマイズ性がある

自社の要望に合わせてカスタマイズ可能であり、機関システム間の他のシステムとの連携ができます。

・ネットワークパフォーマンスが高い

社内ネットワークなら、外部(インターネット接続)からの影響を受けないため、高速にデータ転送が行えます。

・セキュリティが高く高速なバックアップができる

機密情報などを扱うシステムやバックアップデータを自社内に配置し、外部アクセス不可の環境へバックアップすることで安全の確保ができます。
また、昨今クラウドへバックアップを行う企業が増えていますが、大規模環境ではインターネットを通じてのバックアップでは夜間にデータの転送が終わらないため、断念する企業も少なくありません。

・障害対策ができる

障害が発生した場合、自社で問題を解決しなくてはならないため時間がかかってしまう可能性はありますが、障害内容が明確化できるため、対策を講じることができます。

1-2. オンプレミスのデメリット

オンプレミスでご紹介するデメリットは、以下の6つです。

オンプレミスの6つのデメリット

・導入コストが高い

導入コスト(初期費用)は、機器やソフトウェアの購入が必要なため高額になります。

・運用コストがかかる

人件費、電気代、設置場所など設備の維持管理のための費用がかかります。

・構築期間が長い

機器やソフトウェアなどの見積もりから調達まで期間が必要であり、構築期間も長くなります。

・拡張性が低い

構築期間と同様に、CPUの能力やメモリー、ストレージの容量が不足しそうになった場合、拡張には機材調達が必要なため、コストも期間も長くなります。

・冗長化が高額になる

冗長化のためには、機器調達は2倍以上となるため高額になり、構築期間も長くなります。

・災害対策ができない

遠隔地に支店などが無い場合、ローカル(オンプレミス)だけでは、万一の災害に対応できない。

これらが主なオンプレミスのメリット/デメリットです。2章ではクラウドのメリット/デメリットをご紹介していきます。

 

2.クラウドのメリット/デメリット

クラウドは、提供されるサービスからインターネット上の仮想サーバーなど必要な分だけ利用し、システムを構築する仕組みです。そのため、オンプレミスとは違った特徴があります。

2-1. クラウドのメリット

クラウドでご紹介するメリットは、以下の6つです。

クラウドの6つのメリット

・導入コストが安い

機器の購入やソフトウェアなどの初期費用を抑えられます。

・構築期間が短い

契約が完了すれば、短期間ですぐに利用できます。

また、一般的なクラウド環境の構築は、インターネットからサーバー台数の増減やスペック変更等が簡単に行えます。

・アクセスが簡単

インターネット接続さえできれば、場所を選ばず、リモートワーク環境で多く利用されます。

・災害対策がしやすい

自社とは異なる地域のクラウドを利用することで、災害対策として利用できます。

東日本大震災をきっかけに、重要なデータはデータセンターで管理したほうがよいという考えが広がっています。たとえば、2040年を目途にスマート自治体と呼ばれる効率的な行政サービスの提供が検討されています。

参考:自治体クラウドとは?導入のメリットや実現に向けたアプローチを解説

・拡張が容易

契約更新ですぐに拡張可能です。

インターネット接続でCPUの能力やメモリー、ストレージの拡張など簡単にスペック変更が行えます。

・冗長化が容易

比較的簡単に行え、契約次第で提供されるシステムによって可能です。

2-2. クラウドのデメリット

クラウドでご紹介するデメリットは、以下の6つです。

・セキュリティに難あり

データの送受信はインターネット経由のため、セキュリティ面でリスクがあります。

セキュリティ強度は、提供ベンダーに依存すると言えます。インターネット上でシステム運用を行うにあたっては、情報漏えいなどを防ぐためにも提供されるクラウドのセキュリティ機能をきちんと確認する必要があります。

・カスタマイズ性が低い

ベンダーのサービス範囲に依存するため、提供されるサービスによって自社ビジネスに必要な機能を利用できない可能性があり、社内システムとの連携が難しい場合があります。

・ネットワークパフォーマンスに影響が出やすい

インターネットを介したサービスのため、いつでもどこからでも接続できるのがメリットと言えますが、インターネット環境(ネットワーク)の影響を受けます。インターネット環境が何らかのアクシデントで遮断されると、クラウドを利用することは不可能となります。また、日常的にトラフィックが増えてしまうとネットワーク回線の負荷が増大するため、通信速度が遅くなる可能性もあります。

・運用コストがかかる

一定期間の経過および大規模環境になると、オンプレミスのコスト(初期費用など)の積算を上回ることがあります。クラウドは従量課金(月額費用)で必要に応じて利用(電気代やメンテナンス費も含まれる)できますが、利用量が多いと月額料金がかさんでしまいます。また、利用期間によってもトータルコストがかさむ可能性があります。

・クラウドの専用知識が必要

クラウド利用では専門知識が求められます。

提供されるサービスによってネットワーク設定などその他さまざまな違いがあります。クラウドサービスごとに技術に精通した専門知識が必要とされます。 

・障害対策の切り分けが難しい

障害発生時、たとえば、オンプレミス側のネットワークなのかインターネット接続なのか、クラウドの障害なのかそれとも個人PCなのかなどと、どこに要因する問題なのか特定するために切り分けることが難しいケースがあります。

クラウド側の問題の場合、比較的短期間で復旧されることが多いですが、詳細な障害内容は不明瞭な報告の場合があります。

では、3章では、上記を含めてオンプレミスとクラウドのメリット・デメリットをどんな方がオンプレミスまたはクラウドに向いているのか、比較してみましょう。

3.こんな方にお勧め!オンプレミスとクラウドのメリット・デメリット徹底比較

3-1. オンプレミスとクラウドの徹底比較

ここではオンプレミスとクラウドを徹底的に比較していきます。

[オンプレミスとクラウドの12項目の比較表] オンプレミスとクラウドの12項目の比較表

a. セキュリティが高いのはオンプレミス

自社のみの利用のため、やはりセキュリティを高くできるはオンプレミスと言えます。インターネット接続での利用は便利ですが外部からの攻撃を受けやすいためセキュリティは低いと言えます。

b. カスタマイズ性/連携がしやすいのはオンプレミス

オンプレミスでは、細やかなカスタマイズや自社で利用している他のシステムと連携ができます。最近ではクラウドでも多くのサービスが提供されていますが、他のシステムとの連携が難しいことがあります。

c. ネットワークパフォーマンスが高いのはオンプレミス

オンプレミスでは、外部からの影響を受けることが少ないため、ネットワークパフォーマンスが高いと言えます。たとえば、自社システムをクラウドにバックアップする場合などネットワークがネックになるケースが多く見受けられます。

d. 導入コスト(初期費用)は、クラウドが安価

オンプレミスでは、すべての機材やソフトウェアを調達するため、高くなります。クラウドでは、必要に応じて契約しますので、初期費用を抑えることができます。

e. 運用(維持管理)コストは、クラウドが安価

オンプレミスでは維持管理のために費用がかかりクラウドが安価と言えますが、導入時に最適なサイジングを行うことで追加費用などを抑えることができます。クラウドではサービスベンダーで運用管理(メンテナンスなど)を行うため、システム運用管理の人的負担軽減につながります 。また、立地的コストを抑えることができるというメリットがある代わり、容量がかさんだり長期運用ではクラウドの方が高額になることがあります。そのため、しっかりと計画を立てる必要があります。

f. 短期間で構築できるのは、クラウド

すぐに構築したい場合はクラウドです。クラウドの場合、契約後すぐに利用ができます。

g. 外部からのアクセスが簡単なのは、クラウド

クラウドは、インターネット接続で簡単にアクセスができます。オンプレミスでは自社内のネットワークだけではなく外部アクセスのため、機材が必要です。

h. 拡張性/冗長化など機能強化は、クラウドの方が簡単

クラウドは、契約を追加/変更することで機能強化ができます。オンプレミスでは、機材の調達や設定見直しなどが必要で、費用や時間がかかるため、ハードルが高いと考えらえます。

i. オンプレミスもクラウドも専門知識が必要とされる

オンプレミスでは構築から運用まですべて自社で行うため、専門知識を持つ人材の確保が必要です。また、クラウドでも同様に各クラウドベンダーごとに仕様が異なり、提供されるサービスによってネットワーク設定などその他さまざまな違いがあります。クラウドサービスごとに技術に精通した専門知識が必要とされます。 クラウドベンダー特有の知識を持つ人材の確保が難しい場合、外部委託なども検討しましょう。

j. バックアップは、一概にオンプレミスとクラウドのどちらが良いとは言えない

バックアップは、セキュリティの考え方と同様に、社外に出せない機密性の高い情報 のバックアップはオンプレミスで行う必要があります。また、インターネットを介しないことで外部からのマルウェアやランサムウェアといった攻撃も受けずらいと言えます。クラウドの場合、クラウドベンダーのサービスに応じてバックアップが提供されていますので、利用時に追加費用や復旧対応について確認し、契約する必要があります。

k. 災害対策として簡単導入できるのは、クラウド

災害対策は、地理的に遠いところを契約することでクラウドなら簡単にでき、強固なデータセンターに保管できます。オンプレミスの場合、自社内のみの場合、万が一の災害によってデータがなくなってしまうリスクがあります。

l. オンプレミスの障害対策は優先度に合わせた復旧ができる

自社で復旧を行うため、優先度に合わせて復旧を迅速に行うことができます。クラウドでは、クラウドサービスベンダーが復旧するため、自社の負荷は少ないと言えますが、障害によっては長時間利用できないといったケースがあります。

m. 障害対策が確実にできるのは、オンプレミス

オンプレミスでは、障害発生時は自社で対応する必要がありますが原因を解明することが可能です。もちろん、対応が難しい場合に解決までに時間がかかるケースもあります。クラウドの場合、クラウドサービスベンダーに任せることで自社の負荷は少ないですが、障害の詳細が明確にされないことがあります。

3-2. オンプレミスとクラウド利用のお薦め企業とは

オンプレミスは、こんな企業にお勧め!

社外に出せない機密情報を扱うケースでは、オンプレミスを選択することをお勧めします。
自社独自のセキュリティ対策が可能であり、閉域網での運用ができるためセキュリティの確保ができます。また、システム構成が複雑で、システム同士の連携が必要な場合はオンプレミスでの運用が向いているケースが多くあります。
ただし、相応の予算(費用)と構築期間、人的リソース(エンジニア)を確保する必要があり、災害対策のためには遠隔地保管なども検討しましょう。

たとえば、閉域網内のバックアップも安全性の高いバックアップを行うことができます。

オンプレ環境でお勧め!「セキュリティとネットワークを考慮したバックアップ」 セキュリティとネットワークを考慮したバックアップ

セキュリティが高いバックアップのお薦め方法は、テープなどへのオフライン保管です。ネットワークから切り離してオフライン保管を行うことで、外部からの攻撃(ランサムウェア対策など)からバックアップデータを守ることができます。
ただし、オフライン保管を実現するためには、人的リソースが必要とし、正しい保管運用に手間がかかります。
また、日々のデータ量が多く、クラウドへ転送が終わらないことがあります。このような懸念がある場合、セキュリティが高いオンプレミス環境にバックアップデータを配置する方法がお勧めです。

「Arcserve UDP (イメージバックアップ ソフトウェア)」+「Arcserve OneXafe (不変ストレージ)」を利用したバックアップでは、LAN内で大容量のバックアップができ、テープ交換などの手間を省くことができます。
「Arcserve OneXafe」は、定期的にスナップショットを外部からアクセスできない領域に保存しますので、バックアップデータの安全性の確保ができます。

Arcserve OneXafeの詳細は、「Arcserve OneXafe 4500 シリーズご紹介」を参照ください。

ランサムウェア対策は、100%防御することは難しいですが、さまざまな備えをすることで少しでもリスクを下げることができます。その備えの1つの方法として、バックアップ先をイミュータブル(不変)ストレージ Arcserve OneXafeを利用いただきますと、スナップショットを攻撃を受けづらい領域に保存でき、復旧のためのバックアップデータを確保できます。

以下の資料を参考にランサムウェア対策に備えるためのバックアップをご検討ください。

•    参考資料:ランサムウェアに備える運用

クラウドは、こんな企業にお勧め!

導入コストや運用に、費用や人的リソースを取られず、短期間での運用開始ができることを重視する企業なら、クラウドを選択することをお勧めします。
ただし、ストレージ拡張や冗長化なども簡単にできますが、クラウドサービスの利用料は従量課金制であるため、使えば使うほど高額になってしまうため、大容量の場合は注意が必要です。

ここまでご紹介してきたように「オンプレミス」と「クラウド」はそれぞれのメリットが異なります。そのため、お客様の利用状況をあてはめて、どちらを利用される方がメリットが高いのか、システムに応じで比較していただくことをお勧めします。「オンプレミスか、クラウドか」のどちらか1つを選択するのではなく、オンプレミスとクラウドのよいところを組み合わせる「ハイブリッド」という運用方式もおすすめです。 たとえば、機密性の高いデータを扱う業務システムやDBなどパフォーマンスや連携が必要な環境はオンプレミスで利用し、トラフィックが多く高パフォーマンスが必要なWebサーバーはクラウドを利用するなど、役割に応じてオンプレミスとクラウドを使い分けることで、より快適に運用ができです。

クラウドへの移行を検討中であれば、こちらの記事もお役立てください。クラウド移行とオンプレミスのメリット・デメリットを徹底比較! 

まとめ

ここでは、オンプレミスとクラウドを徹底比較することで、どちらを導入すべきか検討を迫られたときに判断するためのそれぞれのポイントを解説しました。

オンプレミスのメリット・デメリットは次のとおりです。
カスタマイズが必要な特殊なシステムや高度なセキュリティが必要ならオンプレミスを選択しましょう。

オンプレミスのメリット・セキュリティが高い
・カスタマイズ性がある
・ネットワークパフォーマンスが高い
・セキュリティが高い、高速なバックアップができる
・障害対策ができる
オンプレミスのデメリット・導入コスト(初期費用)が高い
・運用コスト(維持費)がかかる
・構築期間が長い
・拡張性/冗長化が高額になる
・災害対策ができない(別地域に拠点がない場合)

クラウドのメリット・デメリットは次のとおりです。
短期間の構築で、維持コストがかかる代わりにクラウドサービスベンダーで運用管理(メンテナンスなど)を行うため、システム運用管理の負担軽減につながりますので、クラウドサービスのサポート体制を詳しく確認して活用することをお勧めします。

クラウドのメリット・導入コスト(初期費用)が安い
・構築期間が短い
・アクセスが簡単
・災害対策がしやすい
・拡張/冗長化が容易
クラウドのデメリット・セキュリティに難あり
・カスタマイズ性が低い
・ネットワークパフォーマンスに影響が出やすい
・運用コスト(維持費)がかかる
・クラウドの専用知識が必要
・障害対策の切り分けが難しい

「オンプレミス」「クラウド」のメリット・デメリットを知り、自社に合った効果的な形態を選んでいただくことで、業務効率化につながりますので、最適な選択ができるようにそれぞれのポイントを正しく理解しておきましょう。

コメント

ダウンロードして、その実力を実際にお試しください。当社の高性能で革新的な製品およびソリューションで、IT管理におけるリスクと複雑さを低減しましょう。
無償トライアルを試す
無償トライアルを試す