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マルチクラウドとハイブリットクラウドはここが違う!利用ケース例有

「マルチクラウド と ハイブリッドクラウド は、同じではないの?」
「クラウド導入を検討しているが、どちらが適しているのだろうか」

双方とも複数の環境を利用することを指しますが、なにが違うのでしょうか。

『マルチクラウド』と『ハイブリッドクラウド』は、サービスモデル(※1)に関係なく、複数の実装モデル(※2)を利用した運用方法です。

定義として、パブリッククラウドとの組み合わせに、物理サーバー(オンプレミス)やプライベートクラウドを含むか含まないかで区別されることもありますが、最も大きな違いは、複数のクラウド環境・サービスが『それぞれ独立したシステム』なのか、相互接続する『単一のシステム』なのか、です。

運用構成
マルチクラウド複数環境をそれぞれ独立利用する(相互接続をしない)
ハイブリッドクラウド複数環境を単一のシステムとする(相互接続をする)

(※1)サービスモデルには『IaaS』『PaaS』『SaaS』があります。詳しくは下記をご参考ください。
 図解で1発理解!クラウド利用で知っておくべき責任分界点の誤解と要点
(※2)実装モデルには物理サーバーのほかに『パブリッククラウド』『プライベートクラウド』があります。
 詳しくは下記をご参照ください。
 
【徹底比較】プライベートクラウドとパブリッククラウドの違いを解説

マルチクラウド、ハイブリッドクラウド

例えば、本番環境やバックアップ先にクラウドを利用するバックアップはマルチクラウドです。
バックアップでは本番サイトからバックアップ先に一方向の接続です。データの復旧やリストア時に逆向きの接続となりますが、バックアップは基本的に相互接続ではありません。

大規模で分散されたIT環境も、クラウドへのバックアップは Arcserve にお任せください。

本記事では、マルチクラウド と ハイブリッドクラウド についての概要とメリット/デメリット、相違点や、適している状況や注意点などをご説明します。

マルチクラウドとハイブリッドクラウドの違いを理解し、適切なクラウド環境作りに繋げられるでしょう。

目次

1.マルチクラウドとは

マルチクラウドとは、それぞれ異なるクラウドベンダーが提供する複数のパブリッククラウドを、目的に応じて併用する環境を指します。

例えば本番環境とバックアップやリカバリ体制の構築、業務プロセスやフェーズごとの利用など、それぞれの目的に合ったクラウドを相互接続させることなく利用します。
マルチクラウド

複数ベンダーのパブリッククラウドを併用することで、企業にとって最適な運用環境を構成することができます。

では、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

1-1.マルチクラウドのメリット

複数のパブリッククラウドを相互接続なしに利用する『マルチクラウド』には、主に3つのメリットがあります。

・機能をカスタマイズできるから、自社に最適なクラウド環境を構築できる

マルチクラウドなら、自社が求める機能をカスタマイズした環境を実現できます。

ひとつのクラウドでは求める機能に対応していなかったり、自社でシステム開発をしなくてはならなかったり、最悪の場合、断念せざるを得ないこともあるでしょう。

例えば、クラウドAのみに対応する機能とクラウドBのみに対応する機能がある場合、AとBのクラウドを併用することで両方の機能を使うことができ、初期費用や手間を抑えて、自社に最適なクラウド環境が実現できます。

・1社への依存率が下がり、ベンダーロックインを回避できる

複数社のクラウド併用は、特定のクラウドベンダーに対する依存率を下げることができます。

ベンダーが1社では、そこで提供される機能と技術に依存することとなり、同種のサービスや製品の乗り換えが困難になる『ベンダーロックイン』という状況に陥ります。

しかし、マルチクラウドなら複数のベンダーから常に最適なサービスを選択することができるため、万が一、特定のクラウドベンダーから継続しがたい契約変更があっても、他のクラウドプラットフォームへの比率を高めたり、要求に沿ったサービスに乗り換えたり、柔軟な対応が取れるので、ベンダーロックインを回避することができます。

・システム障害に対するリスク分散と災害対策になる

異なるベンダーが提供するクラウドを併用することで、障害に対するリスクを分散することができます。

信用性の高いクラウドでもインフラ障害やサイバー攻撃などシステム障害が発生する可能性があります。1社のベンダーでクラウド運用している場合、システム障害が復旧するまで業務が止まり、全てのデータを紛失する恐れもあります。

しかし、例えば、本番環境はA社のクラウド、待機系はB社のクラウドを利用することで、A社のクラウドが使えなくなっても、B社のクラウドに切り替えての業務継続が可能となり災害対策になります。
また、複数ベンダーのクラウド併用は、データ通信量が分散されるメリットもあり、特定のクラウドにアクセスが集中することなく、快適な運用が望めるでしょう。

1-2.マルチクラウドのデメリット

自社に最適なクラウド環境が構築できるマルチクラウドであっても良いことばかりではありません。
気を付けなければならないデメリットは、主に2つあります。

・複数契約となり、運用コストが高くなる可能性がある

複数のベンダーとの契約で、運用コストが高くなってしまう場合があります。

例えば、月額利用料を支払う形式の3社のクラウドサービスを利用した場合、単一利用よりコスト高になることは一目瞭然です。また、ベンダーのなかには、多く利用するほど単価が安くなる「ボリュームディスカウント」を採用していることもあります。複数のクラウド環境を利用することから、通常受けられるディスカウントが得られず、結果的にイニシャルコストさえも増大する可能性があります。

そのため、導入前に『価格』『機能』『サポート充実度』を比較し、よりコストパフォーマンスの高いサービスを選定しましょう。

・運用が煩雑になり、システム担当者の運用負荷が増加傾向にある

それぞれのクラウドに対しての知識と運用管理が必要なため、運用が多様化し煩雑になる傾向があります。

例えば、ID・パスワードでログインする方式の場合、全て統一するとセキュリティ面に問題が生じるため、利用数に応じたID・パスワードが必要です。さらに、クラウドサービスには、それぞれ独自の管理コンソールが用意されています。利用方法や開発手順などサービスごとに異なるため、これらを毎回覚える手間があります。

よって、システム担当者は、多くのサービスを理解することが求められ、マニュアル整備、アカウント発行・管理、プログラム更新などクラウドの数に比例して運用負荷が増加する傾向にあります。

回避/軽減策のひとつとして、複数のクラウドを一元化できる管理ツール導入を検討されるとよいでしょう。

2.ハイブリッドクラウドとは

ハイブリッドクラウドとは、オンプレミスの物理サーバー、プライベートクラウド、パブリッククラウドなどを組み合わせて使用する環境のことを指します。

例えば、顧客管理システムや基幹システムといったように、一つの業務システムの中で複数のプラットフォームを相互接続した単一システムとして利用します。

ハイブリッドクラウド

複数のサーバーを使い分けることにより、それぞれのサーバーの弱点を相互補完した環境が構築できます。

2-1.ハイブリッドクラウドのメリット

先に述べた通り、ハイブリッドクラウドの最大のメリットは各環境の弱点をカバーすることです。
3つの主なメリットを各環境の特徴を比較したうえで紹介します。

環境概要主なメリット主なデメリット
パブリッククラウド・サーバー所有はベンダー
・複数企業で共有するクラウド
・迅速な導入が可能
・初期/運用コストが抑えられる
・拡張や縮小性が容易
・セキュリティリスクが高い
・カスタマイズに限りがある
プライベートクラウド・サーバー所有が自社またはベンダー
・自社専用のクラウド、またはパブリッククラウド内に専用の クラウドを構築
・セキュリティが高め・カスタマイズに柔軟性がある・初期/運用コストが高くなる場合がある
・拡張や縮小に手間や時間がかかることがある
物理サーバー
(オンプレミス)
・サーバー所有は自社
・自社専用
・セキュリティが高い
・カスタマイズが柔軟である
・初期/運用コストが高い
・拡張や縮小に手間や時間がかかることがある

 ※詳しく知りたい方は、下記をご参照ください。
オンプレミスとは?わかりやすく解説|クラウドと迷った時の判断基準
【徹底比較】プライベートクラウドとパブリッククラウドの違いを解説

・セキュリティを高めた運用ができる

ハイブリッドクラウドでは、セキュリティを高めたクラウド運用が可能になります。
パブリッククラウドは、ユーザーがセキュリティ設定を行うため、セキュリティリスクが高くなります。
社外に共有しないデータや機密性の高いデータは、自社専用のプライベートクラウドや物理サーバーを利用することで、パブリッククラウドでのセキュリティリスクを軽減することができます。

・初期/運用コストを抑えた拡張と運用ができる

初期費用や運用コストを抑えたパブリッククラウドを導入することで、全体的なコストを抑えることができます。
プライベートクラウド(※)や物理サーバーでは、初期費用は高くなり、メンテナンスなども自社負担となるため、運用コストも高くなる傾向にあります。しかし、パブリッククラウドではそれらがクラウドベンダー負担になるため、安価に抑えることが可能です。

そのため、パブリッククラウドとプライベートクラウドやオンプレミスを併用することで、初期/運用コストを結果的に軽減することができます。

(※)プライベートクラウドは、ホスティング型/オンプレミス型があり、ホスティング型の場合は、サーバーがベンダー所有のため一概ではありません。

・容易な拡張性で生産性も向上する

プライベートクラウドや物理サーバーでは、性能や容量などリソースの拡張や縮小に時間や手間がかかり、費用も比較的高額になる可能性がありますが、パブリッククラウドでは一般的に契約変更によるリソースの拡張や縮小が叶うため、手間や時間を省くことができます。そのため、ハイブリッドクラウドでは、急な容量増加も手間をかけずに対応することができ、安定したデータ処理が行えます。

​​​​​2-2.ハイブリッドクラウドのデメリット

各環境の弱点をカバーし合うハイブリッドクラウドも、デメリットが生じます。
主に2つご紹介します。

・複雑なシステム構成となり各環境に精通した人材確保が必要である

異なる環境の組み合わせは、複雑なシステム構成となり、運用・管理負荷が大きくなります。

日常的にシステム間の通信回線にも目を配る必要がありますし、クラウドベンダー側で機能強化など何かしらの変更があった場合は、システム全体への影響もチェックする必要があります。
さらに、複数のサーバー、クラウドサービスを組み合わせることで、障害発生時の原因切り分けも複雑化します。正確に状態を把握し適切な対応が求められますから、それぞれの環境に精通した人材の確保が必要です。

人材確保が難しい場合は、ハイブリッドクラウド環境の構築・保守運用ができるサービスの利用を検討しましょう。

また、システム管理者のみならず利用する従業員側でも煩雑になる可能性がありますので、利用時のルールを明確にしておくとよいでしょう。

・運用次第でコスト増加になる場合がある

環境の組み合わせや運用方法によって、かえってコスト増加になる可能性があります。

システム構成の複雑化により、単一の環境と比べてコストの予測が難しくなるためです。例えば、利用頻度は低くてもサービス拡張に伴い増え続けるデータをパブリッククラウドメインで管理する場合は、データ量に比例して運用コストも変動します。オンプレミス管理の場合、サービス拡張のたびに環境構築を行う調達コストや人件費などが課題になることもあります。

ハイブリッドクラウドのコストに関しては、組み合わせる各環境の特徴や料金体系、適切な使い分け方をしっかり理解したうえで慎重に試算することが重要です。

3.マルチクラウドとハイブリットクラウドの違い

マルチクラウドとハイブリッドクラウドでは、定義として、パブリッククラウドとの組み合わせに、物理サーバー(オンプレミス)やプライベートクラウドを含むか含まないかで区別されることもありますが、最も大きな違いは、複数のクラウド環境・サービスが『それぞれ独立したシステム』なのか、相互接続する『単一のシステム』なのか、です。

ここではそれぞれを比較して違いをみていきます。

 マルチクラウドハイブリッドクラウド
構成複数環境をそれぞれ独立利用する
(相互接続をしない)
複数環境を単一のシステムとする
(相互接続をする)
環境複数社のパブリッククラウドを併用パブリッククラウド、プライベートクラウド、
物理サーバーなどの組み合わせ
運用例本番環境とバックアップ、業務プロセスやフェーズごとの利用顧客管理システムや基幹システム
初期費用比較的抑えることができる高額になりやすい
ランニングコスト高額になりやすい適切な使い分けである程度抑えることができる
運用負荷クラウド数に比例して増加傾向複雑かつ負荷増加
専任担当者クラウドの知識が、ある程度必要クラウド、物理など各環境に関する有識者が必要
セキュリティクラウドベンダーにほぼ依存するオンプレミスで強化できる
災害対策リスク分散で業務継続の可能性が高い単一システムのため業務停止の可能性が高い

・構成 面での違い

マルチクラウドでは、複数のパブリッククラウド環境を相互接続することなく、それぞれ独立して利用するのに対し、ハイブリッドクラウドでは、複数環境を相互接続し、単一のシステムとして利用します。

・環境 面での違い

マルチクラウドでは、複数社のパブリッククラウドを併用しますが、ハイブリッドクラウドでは、パブリッククラウドに加え、プライベートクラウド(ホスティング型/オンプレミス型)であったり、物理サーバーであったり、そのすべてを利用するなど、様々なシステム環境を複合的に利用します。

・コスト 面での違い

初期費用やメンテナンス費において、自社サーバーを有さないマルチクラウドは比較的安価に抑えることができるでしょう。しかし、複数契約のため、ボリュームディスカウントを受けにくく、イニシャルコストが増大する可能性が高くなります。

ハイブリッドクラウドでは、自社サーバーを有することで、初期費用やメンテナンス費が必要です。

システム構成の複雑化により運用コストの予測が難しくなりますが、組み合わせる各環境の特徴や料金体系、適切な使い分け方を慎重に試算することでサービス拡張やデータの増加に伴うコスト上昇を抑えることができるでしょう。

・運用負荷と専任担当者 面での違い

マルチクラウドでは、各パブリッククラウドの知識と運用管理が必要となり、マニュアル整備やアカウント発行・管理、プログラムの更新など、利用するクラウドベンダーの数に比例して運用負荷が増加する傾向にあります。

しかし、サーバー障害などのトラブル発生時は、多くの場合がクラウドベンダー側の対応となるため、その点においては負荷が軽減されるでしょう。

ハイブリッドクラウドでも、異なる環境の組み合わせが複雑なシステム構成を生み、運用・管理負荷が大きくなります。しかし、マルチクラウドとは違って、障害発生時には原因の切り分けが複雑になることから、各環境に精通した専任担当者の確保が必要です。特に、オンプレミスが原因の場合は、自社で対応しなければなりません。

・セキュリティ 面での違い

マルチクラウドでは、基本的にクラウドベンダーに依存しますので、クラウドサービスごとにセキュリティレベルも異なります。人的ミスなどによる漏洩や不正アクセスに注意が必要です。

ハイブリッドクラウドの場合、プライベートクラウドや物理サーバー(オンプレミス)で自社ポリシーに合わせたセキュリティ管理が可能です。

・災害対策 面での違い

マルチクラウドは業務プロセスやフェーズごとに(相互接続を行わず)切り離して併用することから、1社のクラウドサービスで障害が発生しても他社で契約しているクラウドサービスで業務を継続することができるでしょう。

ハイブリッドクラウドでは、複数の環境を(相互接続を行い)単一システムとして運用しますから、いずれかの環境で障害が発生した場合、システム全体に影響し業務停止リスクが高くなります。

ベンダー契約でのクラウド障害では、責任分界点(※)が生じます。データは基本的にユーザー側の責任となりますので、必ずバックアップを取得しておきましょう。バックアップについては6章でご案内します。
(※)詳細は下記をご参照ください。図解で1発理解!クラウド利用で知っておくべき責任分界点の誤解と要点

4.マルチクラウドとハイブリットクラウドの選び方

では、あなたの会社は、そのシステムは、どちらのクラウド運用を選べばよいのでしょうか。
一般的に、マルチクラウドもハイブリッドクラウドも、企業規模などによる向き不向きはありません。
以下3項目の確認が大切です。

項目確認事項検討可能
1)システム業務プロセスやフェーズごとに各環境を独立させることができるマルチクラウド
ハイブリッドクラウド
できないハイブリッドクラウド
2)セキュリティ自社のポリシーにマッチしているマルチクラウド
ハイブリッドクラウド
いないハイブリッドクラウド
3)専任担当者ある程度のクラウド有識者の確保ができるマルチクラウド
できない
利用環境すべての有識者の確保ができるマルチクラウド
ハイブリッドクラウド
できない

 まずは、そのシステムを業務プロセスやフェーズごとに各環境で独立させることができるのかどうかです。連携させる必要があるならば、ハイブリッドクラウドです。
マルチクラウドも選択できるのであれば、セキュリティや専任担当者に関して確認していくことをお勧めします。

1)システム:業務プロセスやフェーズごとに各環境を独立させることができるか

業務プロセスやフェーズごとに各環境を独立利用することができるのであれば、マルチクラウドもよいでしょう。「2)セキュリティ」や「3)専任担当者」との兼ね合いでどちらかに絞り込めます。
しかし、業務フェーズごとに利用環境を分けることができない基幹システムなど、相互接続による単一システムとして運用する必要がある場合は、ハイブリッドクラウドです。

2)セキュリティ:自社のポリシーにマッチしているか

複数のパブリッククラウドを併用するマルチクラウドでのセキュリティにおいて、サービスモデル次第では、自社でセキュリティ設定できる部分もありますが、ほぼクラウドベンダーに依存することになります。自社のセキュリティポリシーにマッチできない場合は、ハイブリッドクラウドを検討しましょう。

3)専任担当者:利用環境に対する有識者の確保ができるか

クラウドに関してある程度の知識がある担当者を確保できる場合は、マルチクラウドがよいでしょう。
しかし、ハイブリッドクラウドの場合は、障害発生時に原因の切り分けが必要なため、各環境に精通した専任担当者の確保が必要です。
どちらのクラウド運用においても人材確保が難しい場合は、『システム運用代行サービス』の導入を検討しましょう。

【マルチクラウドのケース例】
・社内向けシステムと顧客向けサービスのOSやソフトウェアバージョンなどインフラ環境に違いがある
・海外にも拠点があり、国ごとに適したシステムやデータの管理が必要 

【ハイブリッドクラウドのケース例】
・クラウドの導入でオンプレミスの容量ひっ迫による削除調整や容量拡張の予算、工数を軽減させたい
・ECサイトの顧客情報の保護を高めつつ、ウェブサーバーへの負荷を軽減したい

5.導入時の注意点

ここでは、クラウドを利用した複数環境を導入する時の注意点をご紹介します。

・パブリッククラウドのセキュリティレベルを細かく確認する

物理サーバーやプライベートクラウドと、パブリッククラウドではセキュリティ面に差異が生じます。
また、パブリッククラウドは、ベンダーによってセキュリティレベルが異なる場合があります。

そうした違いから生まれるセキュリティホールは、重要なデータが流出したり、外部から攻撃されたりする原因にもなります。

パブリッククラウド選定にはセキュリティレベルを細部まで確認し、ハイブリッドクラウドなら重要なデータは物理サーバーやプライベートクラウドで管理するとよいでしょう。

・運用コストの見積もりを入念に行う

マルチクラウドであっても、ハイブリッドクラウドであってもコスト見積もりは入念に行いましょう。

マルチクラウドの場合は、複数のクラウドベンダーと契約することから、通常受けられるディスカウントが得られず、結果的にイニシャルコストさえも増大する可能性があります。

ハイブリッドクラウドの場合は、システム構成の複雑化により、単一の環境と比べてコストの予測が難しく、環境の組み合わせや運用方法によって、かえってコスト増加になる可能性があります。

そのため、各環境の特徴や料金体系、適切な使い分け方をしっかり理解したうえで慎重に試算しましょう。

・システム管理者の負荷軽減に運用ルールを明確化する

各環境の運用ルールを明確化しておきましょう。

複数の環境を利用するマルチクラウドやハイブリッドクラウドでは、クラウドごとに用語や操作性、サービスレベルが異なることで、運用の難易度が高まります。各環境で運用ルールが異なる場合は、さらに複雑になります。
また、システム管理者のみならず利用する従業員側でも煩雑になる可能性があります。

運用ルールを明確にすることで、システム担当者だけでなく、利用者側の負荷も軽減できるでしょう。
特にマルチクラウドでは、セキュリティ対策にも繋がります。

また、マルチクラウドなら管理ツールの導入、ハイブリッドクラウドなら運用ルールを統一することで、システム全体の一元管理が可能になります。

6.バックアップはマルチクラウド

バックアップはマルチクラウドといえるでしょう。
冒頭でも触れたように、バックアップでは本番サイトからバックアップ先に一方向の接続です。
本番環境やバックアップ先にクラウドを利用するバックアップはマルチクラウドです。

6-1. クラウドを利用したバックアップならArcserve Cloud Direct

Arcserve Cloud Direct とは、バックアップに必要なソフトウェアや機能をAll in one でまとめて提供する、ビジネス向けのお手軽クラウドバックアップサービスです。

バックアップベンダーであるArcserveが提供するクラウドは、4つのポイントでインターネット経由でもしっかりデータ保護・複製しますので安心です。

① Tier Ⅳ 相当(一部 Tier Ⅲ 相当)の高いセキュリティ・耐災害性を持つデータセンターで運用しています。
② データの転送時は SSLで暗号化、保存時は AES 128 で暗号化するため、安全に転送・保存します。
③ ネットワーク障害など転送失敗時は自動リトライし、回線復帰後は未送信分の転送を再開します。
④ フルバックアップ転送は初回のみ、2回目以降は増分だけを圧縮転送。さらに帯域制御機能で日中業務への影響を軽減します。

Arcserve Cloud Direct

Arcserve Cloud Direct

ご契約前にBaaS(Backup as a Service)(※1)か、DRaaS(Disaster Recovery as a Service)(※2)かを選択します。

(※1) BaaS (Backup as a Service:バックアップ サービス) Arcserve クラウドにデータをバックアップします。本番環境でデータを喪失した時には、Arcserve クラウドからデータをリストアすることができます。
(※2) DRaaS (Disaster Recovery as a Service:惨事復旧サービス) Arcserve クラウドにデータをバックアップします。本番環境でシステムが利用できなくなった時には、Arcserve クラウド上で代替 VM を起動して業務を継続できます。

※参考資料:Arcserve UDP Cloud Direct ご紹介プレゼンテーション

データ保護ソリューションをご検討の際は、ぜひArcserveにご相談ください。

オンプレミス保管からの2次バックアップにも対応したArcserve Cloud Hybrid もございます。
※参考資料:
Arcserve UDP Cloud Hybrid ご紹介プレゼンテーション

まとめ

マルチクラウドは、それぞれ異なるクラウドベンダーが提供する複数のパブリッククラウドを、それぞれの目的に合ったクラウドを相互接続させることなく併用する環境を指します。

ハイブリッドクラウドは、オンプレミスの物理サーバー、プライベートクラウド、パブリッククラウドなど一つの業務システムの中で複数のプラットフォームを組み合わせ、相互接続した単一システムとして使用する環境のことを指します。

定義として、パブリッククラウドとの組み合わせに、物理サーバー(オンプレミス)やプライベートクラウドを含むか含まないかで区別されることもありますが、最も大きな違いは、複数のクラウド環境・サービスが『それぞれ独立したシステム』なのか、相互接続する『単一のシステム』なのか、です。

マルチクラウドハイブリッドクラウド
構成複数環境をそれぞれ独立利用する
(相互接続をしない)
複数環境を単一のシステムとする
(相互接続をする)
環境複数社のパブリッククラウドを併用パブリッククラウド、プライベートクラウド、物理サーバーなどの組み合わせ
運用例本番環境とバックアップ、業務プロセスやフェーズごとの利用顧客管理システムや基幹システム
初期費用比較的抑えることができる高額になりやすい
ランニングコストクラウド数に比例して増加傾向適切な使い分けである程度抑えることができる
運用負荷クラウド数に比例して増加傾向複雑かつ負荷増加
専任担当者クラウドの知識が、ある程度必要クラウド、物理など各環境に関する有識者が必要
セキュリティクラウドベンダーにほぼ依存するオンプレミスで強化できる
災害対策リスク分散で業務継続の可能性が高い単一システムのため業務停止の可能性が高い

マルチクラウドもハイブリッドクラウドも、企業規模などによる向き不向きはありません。
以下3項目の確認が大切です。

項目確認事項検討可能
1)システム業務プロセスやフェーズごとに各環境を独立させることができるマルチクラウド
ハイブリッドクラウド
できないハイブリッドクラウド
2)セキュリティ自社のポリシーにマッチしているマルチクラウド
ハイブリッドクラウド
いないハイブリッドクラウド
3)専任担当者​ある程度のクラウド有識者の確保ができるマルチクラウド
できない
利用環境すべての有識者の確保ができるマルチクラウド
ハイブリッドクラウド
できない

まずは、そのシステムを業務プロセスやフェーズごとに各環境で独立させることができるのかどうかです。
連携させる必要があるならば、ハイブリッドクラウドです。
マルチクラウドも選択できるのであれば、セキュリティや専任担当者に関して確認していくことをお勧めします。

最後に、本番環境がマルチクラウドであっても、ハイブリッドクラウドであってもバックアップは重要です。

環境構築と一緒に、大切な資産であるデータ保護もご検討ください。

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