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サブスクリプションライセンスとは?メリットとデメリットと選び方

その(アプリケーション)ソフトウェアは、本当にサブスクリプションライセンス契約でいいですか?

常に最新であることを理想とするセキュリティソフトは『サブスクリプションライセンス』、長期運用がベースとなりやすいバックアップソフトは『パーペチュアルライセンス』など、利用するソフトウェアでライセンスを選択しても良いかもしれません。

2011年ごろ、Adobe社が年間契約のライセンス形態に移行した際に、日本での『サブスクリプション』の認知度が高まり、近年ソフトウェア業界でもこれまでの永久/永続ライセンス(パーペチュアルライセンス)から、サブスクリプションライセンスに遷移しています。

その為、サブスクリプションライセンス一択しかなく、既に導入済みのソフトウェア会社から更新時の契約方法変更通知を受け、そのまま受け入れている方も多いのではないでしょうか。

今まさにライセンス契約を検討している、または、既に契約しているけれども改めて知っておいて欲しい、ソフトウェアにおいての『サブスクリプションライセンスとは』から、メリットやデメリットなど、注意すべき点はあるのかを交えてご説明します。

1. サブスクリプションライセンスとは

サブスクリプションライセンスとは、「定期購読、継続購入」といった意味を持つ『サブスクリプション』と、許可(証)、認可、許諾などの意味を持つ『ライセンス』が合わさった言葉です。

主にソフトウェア業界で使用されるビジネスモデル用語で、『定額料金を支払うことで、一定期間の利用が可能となり、付随するサービス(※注1) (例:保守(メンテナンスやサポート))を受けることができる』ライセンス形態です。
(※注1) 付随するサービス:提供しているソフトウェアまたはベンダーにより異なります。

本来、商品の購入は、そのものの代金を支払い、所有し、半永久的に利用できます。メンテナンスや、保証(無償の付帯保証を除く)といった追加サービスを受ける場合に、その分の利用料を追加で支払います。

ソフトウェアでは、「そのものの代金」は導入用のディスクメディアやライセンス自体に相当し、『パーペチュアルライセンス』を得て、セット販売もしくは別売りの1年、3年、5年(※注2) といった有効期限付きの保守を更新していく運用が主流でした。

サブスクリプションライセンスの場合、インターネットを介して環境を準備し、1年、3年、5年(※注2) といった有効期限付きのライセンスと保守のセットでサービスを利用し、再契約によって利用期間を延長します。
(※注2)設定期間はソフトウェアまたはベンダーにより異なります。ここでの1年、3年、5年は一般的な例です。

そもそも『サブスクリプション』は、所有権 ではなく 利用権 を購入しています。

その為、パーペチュアルライセンスでは、保守期間が切れても、ライセンスは所有していますので、そのもの自体は利用し続けることが可能です。しかし、サブスクリプションライセンスでは、契約期間が過ぎると、更新(再契約)を行わない限り利用権を失い、付随するサービスは勿論、本来のサービス自体利用ができなくなります。(※注3)
(※注3)サービスにもよりますが、数回の事前通知と契約終了後も猶予期間が設定されている場合があります。

サブスクリプション リース レンタル
利用期間月単位~年単位など長期的(年単位)短期的
(時間・日・月単位)
料金一定の料金設定
(少額~高額まで様々)
物品価格xリース料率
(比較的高額)
一定の料金設定
(少額~高額まで様々)
途中解約可能(違約金が発生する場合がある)不可(高額な違約金が発生する場合がある)可能(返却時に追加料金が発生する場合がある)
対象品物からスペースまで様々比較的高額商品品物からスペースまで様々

2. サブスクリプションライセンスのメリットとデメリット

それでは、メリットとデメリットを見ていきます。

メリット1)    初期費用が抑えられる傾向にあり、導入しやすい
2)    契約期間中に追加費用が発生しにくい為、予算が立てやすい
3)    固定資産ではない為、経理処理の手間を抑えられる
デメリット1)    長期利用には、総費用が高くなりやすい
2)    サービス利用が、突如停止するリスクがある
3)    再契約時に値上がりによる、経費増加リスクがある
メリット1:初期費用が抑えられる傾向にあり、導入しやすい

製品自体を購入するわけではなく利用プランに応じて費用を支払うため、初期費用が抑えられる傾向にあります。
初期費用を抑えることができれば、予算障壁を緩和し、導入しやすいと言えるでしょう。

メリット2:契約期間中に追加費用が発生しにくい為、予算が立てやすい

一般的に、メンテナンスもサポートも付随するサービスに含まれますので、追加費用なくアップグレードが可能であり、契約期間中 にメンテナンスやサポートの期限が終了する心配もありません。

メリット3:固定資産ではない為、経理処理の手間を抑えられる

所有権ではないため、固定資産にはなりません。
その為、減価償却は不要で、全額を経費計上できるため、経理処理の手間を増やさずに済みます。

デメリット1: 長期利用には、総費用が高くなりやすい

ソフトウェアを利用する限り常に費用は発生しますので、長期的な利用では総費用が高くなりやすいと言えます。
対応策:長期利用が見込めている場合は、契約時に長期のプランにすることで割引効果を得られる場合があります。

デメリット2:サービス利用が、突如停止するリスクがある

企業の撤退や倒産などによりサービスの利用が停止してしまうリスクがあります。
対応策:多くの場合、事前通知や移行先の案内がありますが、定期的に他製品情報をチェックしておくことで、停止期間を最小限に抑えることができるでしょう。

デメリット3:再契約時に値上がりによる、経費増加リスクがある

利用継続には利用権等全ての契約更新になるため、料金改定(値上げ)が行われ経費増加のリスクがあるでしょう。
対応策:業界全体など致し方ない場合もありますが、定期的に他製品情報をチェックし、サービスの移行も視野に入れておきましょう。

ニーズの変化やオンライン脅威の進化、様々な技術の進歩が目まぐるしい速さで進むIT業界の背景から見ると、サブスクリプションライセンスの『導入のしやすさ』や『予算が立てやすい』メリットは理にかなっており、『サービス停止』や『値上がり』リスクのデメリットも多少はカバーできるのではないでしょうか。

3. パーペチュアルライセンスとの比較

記事冒頭でも述べましたが、ソフトウェア業界のビジネスモデルは、サブスクリプションライセンスにシフトしつつあります。しかし、パーペチュアルライセンスも現存しています。
本章では2つのライセンス形態を比較し、次章でライセンスの選択方法を見ていきます。

パーペチュアルライセンスサブスクリプションライセンス
1)取得権所有権利用権
2)利用期限なし(永続的)あり(契約期間中のみ)
3)初期費用高額になりやすい比較的安価
4)保守有効期限により別途更新が必要利用契約中の手続き不要
5)アップグレードメンテナンス(保守)有効内可能利用契約中可能
6)運用費抑えやすい高額になりやすい
比較1:取得権が「所有権」か「利用権」

パーペチュアルライセンス:所有権を得るため、固定資産となり場合によっては減価償却が必要になる
サブスクリプションライセンス:利用権を得るため、全額経費計上が可能となる

比較2:利用期限の有無

パーペチュアルライセンス:初回購入で永続的に利用が可能なため、利用期限はない
サブスクリプションライセンス:契約期間中のみ利用可能、継続には契約更新が必要なため、利用期限がある

比較3:初期費用の度合い

パーペチュアルライセンス: 製品とまとまった期間の保守費用を全額支払うため、初期費用が高額になるサブスクリプションライセンス:保守も含まれた、利用期間での費用のため、比較的安価に抑えられる

比較4:保守更新手続きの有無

パーペチュアルライセンス: 有効期限があるため、更新手続きが必要となり追加費用も発生する
サブスクリプションライセンス:契約期間中は常に有効なため、手続きは不要で追加費用も発生しない

比較5:アップグレードの可否

パーペチュアルライセンス: メンテナンス有効期間内であれば、アップグレード可能でありタイミングを調整できる
サブスクリプションライセンス:利用契約期間中であれば、自動的(※注) にアップグレードされる
(※注)ソフトウェアやベンダーによって調整できるものもあります

比較6:長期的な運用費の度合い

パーペチュアルライセンス: 基本的に保守更新費のみのため、運用費を抑えやすい
サブスクリプションライセンス:利用契約の更新が必要なため、パーペチュアルライセンスより高額になりやすい

パーペチュアルライセンスとサブスクリプションライセンスを比較した際に注意すべきポイントは、契約期間です。
パーペチュアルライセンスの場合、保守契約期間が終了するとソフトウェアのバージョンアップやパッチを充てることができず、トラブルを起こす可能性が高くなります。しかし、そのもの自体の利用は継続できます。
サブスクリプションライセンスの場合、利用契約期間が終了するとライセンスを失効し、そのもの自体の利用ができなくなります。

4. ケースから見るライセンスの選び方

では、どちらのライセンス形態を選べばよいのか、ケース別にご紹介します。

✔ 常に最新版を利用したい場合は、サブスクリプションライセンスがお勧め

最新版のソフトウェアを利用し続けたい場合は、サブスクリプションライセンスが良いでしょう。

サービスにもよりますが、利用期間中は自動的にアップデート更新されますし、手動の場合でもダウンロードをするだけで手間がかかりません。

また、最新のサービスを取り入れているソフトウェアに移行するにも、初期費用が抑えられることからサブスクリプションライセンスがお勧めです。
ただし、途中解約の可否や違約金等は契約内容によりますので、事前に確認しておきましょう。

✔ 長期的な利用を計画している場合は、パーペチュアルライセンスがお勧め

長期的な利用を予定してる場合は、ランニングコストが抑えられるパーペチュアルライセンスが良いでしょう。

初期費用は比較的高額になりやすいですが、一度購入してしまえば、有期限の保守を更新するだけで良いので、基本的な運用費は保守の更新費のみで済みます。

一般的に、保守契約が有効であれば、アップグレードも無償で提供してもらえます。
その際、申請手続きが必要になりますが、ランニングコストを重視する場合は、パーペチュアルライセンスがお勧めです。

以上のことから、常に最新であることを理想とするセキュリティソフトは『サブスクリプションライセンス』、長期運用がベースとなりやすいバックアップソフトは『パーペチュアルライセンス』など、利用するソフトウェアでライセンスを選択しても良いかもしれません。 

まとめ

サブスクリプションライセンスは、所有権の購入ではなく利用権の契約を行うライセンス形態です。
その為、契約期間が終了すると、サービス自体の利用ができなくなるので注意が必要です。

しかし、一般的に初期費用が抑えられることや、契約期間中は保守契約の手続きや追加費用なくアップグレードでき、常に最新版での利用が可能であるため、ニーズの変化やオンライン脅威の進化、様々な技術の進歩に対応したライセンス形態とも言えます。

また、固定資産にならず全額経費計上できることは、会計処理においての魅力のひとつではないでしょうか。

今後は、標準ライセンス形態になるであろうサブスクリプションライセンスですが、ベンダーやソフトウェアによっては従来のパーペチュアルライセンスを並行運用されることもあるでしょう。

もし導入を検討されているソフトウェアのライセンス形態が選択できるのであれば、常に最新版での利用が望ましいのか、長期利用で運用費を抑えることを優先させるかで選定いただくと良いでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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