ぜひ読んでほしいオススメ記事

プロ3名が本気で考えるバックアップソフトの選び方最新究極ガイド

TCO削減とは?具体的な方法、タイミング、注意点などくわしく解説

「TCOの削減とはどういうこと?」
「TCOを削減するにはどうすればいい?」
そのような疑問を持っている方も多いでしょう。
「TCO」とは「Total Cost of Ownership=総保有コスト」のことです。
コンピュータシステムを利用する際、その構築から導入、保守運用などすべてにかかる「費用」と「時間」の総計を指す概念で、以下のようなコストが含まれます。

・コンピュータやサーバーなどの購入費
・ソフトウエアの購入費、あるいは開発費
・導入にかかる費用
・保守運用費用
・人件費
・教育費
・将来的なアップグレード費用
・トラブル発生時の対応にかかる費用 など

これを削減するには、以下のような方法が有効です。
・既存のIT資産を整理する
・ハードウエア・ソフトウエアの調達方法を統一する
・デスクトップ環境を統一する
・サーバーを統合する
・運用保守をアウトソーシングする
・ヘルプデスクの設置
・クラウドに移行する

そこでこの記事では、TCOの削減について具体的に説明します。
◎TCOとは
◎TCOに含まれるコスト
◎TCOの算出方法
◎TCO削減の注意点

など、まずは基礎知識を知ってください。
その上で、具体的な方法を説明します。
◎TCO削減を考えるタイミング
◎TCO削減の方法

最後まで読めば、知りたかったことがわかるでしょう。
この記事で、あなたの会社がTCO削減に成功するよう願っています。

1. TCOとは

この記事の目的は、TCOの削減方法を解説することです。
が、その前にあらためて「TCOとは何か」という基本的なことを知っておきましょう。

1-1. 「TCO」とは?

「TCO」とは「Total Cost of Ownership」の略で、日本語では「総保有コスト」と言われます。
企業がコンピュータシステムを利用するにあたって、その構築から導入、保守運用などすべてにかかる「費用」と「時間」の総計を指す概念で、たとえば以下のようなコストが含まれます。

・コンピュータやサーバーなどの購入費
・ソフトウエアの購入費、あるいは開発費
・導入にかかる費用
・保守運用費用
・人件費
・教育費
・将来的なアップグレード費用
・トラブル発生時の対応にかかる費用 など

1-2. 企業で求められる「TCO削減」の必要性

では、この「TCO」の削減が多くの企業で重視されるようになったのはなぜでしょうか?

従来は、システムやソフトウエアなどを導入する際に、開発費やシステム導入費、ソフトウエア購入費といった初期費用に注目してコストを計算、削減をはかっていました。
が、PCなどのハード部分が低価格化していること、初期費用がかからないクラウドサービスが普及したことなどにより、初期費用は以前ほど必要なくなってきています

その反面、導入後のランニングコストの方は増大しつつあります。
システムの高度化によって保守運用にかかる人件費なども高くなっていますし、クラウドサービスを利用すれば毎月の利用料も発生するためです。

つまり、従来の計算では現状に合わなくなってきたわけで、初期費用だけを削減しても全体コストが抑えられないケースが出てきたのです。

そこで登場したのがTCOという考え方でした。
TCOは、初期費用だけでなくランニングコストも考慮します。
さらに、「システム利用中に障害などが発生した場合に発生する損失や、復旧のための人件費、失われた時間」といったマイナスのコスト=「機会損失コスト」も含めて算出するので、総コストを正しく把握することができます。
その上で、TCO全体からコスト削減できる部分を探せば、最終的に予算を抑えてシステム導入できるというわけです。

1-3. TCOに含まれるコスト

「1-1. 「TCO」とは?」でTCOに含まれるコストの例を挙げましたが、もう少しくわしく説明しておきましょう。
TCOは、以下の2つのコストに大別できます。

・見えるコスト=初期導入費用
・見えないコスト=ランニングコスト、機会損失によるマイナスのコスト

導入時に発生するハードウエア購入費、ソフトウエア購入費、システム開発費などは最初から金額が明確になっているため、計算しやすいと言えます。
一方で、導入後に発生するランニングコストや、万が一システム障害が発生した場合の損失は、運用のしかたやトラブルの発生などさまざまな要因に左右され、導入時点でははっきりとした数字が見えにくいものです。

そのため、従来は「導入前は利益が上がるはずだったのに、導入してみたら思ったよりコストがかかって予算をオーバーしてしまった」といったことが起こり得ました。
が、TCOではこの見えないコストも数値化して計算します。

そして、TCOを削減するには見えるコストはもちろん、見えないコストもできるだけ削減できるような導入計画を立てることが重要なのです。

【見えるコスト/見えないコストの例】

見えるコスト初期導入費用・PC、サーバーなどのハードウェア購入費
・ソフトウェア購入費・システム開発費
・インストール費用 など
見えないコストランニングコスト・システム運用費
サーバー保守などの人件費
・システムやデータのバックアップ費用
・ソフトのバージョンアップやインストールにかかる費用
・教育、サポートなどを行う人件費
・システムの廃棄費用
機会損失コスト・システム障害が発生した場合の修理費
・システムの復旧にかかる人件費
・トラブル対応の人件費
・トラブルによって発生したビジネスの機会損失費用

1-4. TCOの算出方法

では、TCOはどのように算出すればいいのでしょうか?
それは、以下の3種のコストの合算によって導き出すことができます。

・初期導入コスト:導入時に発生するハードウエア購入費、システム導入費、ソフトウエア開発費など
・運用管理コスト:導入後に発生する保守運用の人件費、サポートや教育の人件費、クラウド利用料、ソフトウエアのアップデート費用、データのバックアップ費用など
・機会損失コスト:システム障害などの際に発生する損失額、システム復旧にかかる人件費など

「機会損失コスト」は、システムやソフトウエアの不具合によって業務が停止したり、顧客を逃してしまったりした場合、本来得られたはずの利益を算出するもので、マイナスのコストです。

この3つをそれぞれ算出し、最後に合計すればTCOが把握できます。

2. TCO削減の注意点

TCOの算出方法がわかりました。
が、上記の費用を単純に計算すればそれで正確なTCOが算出できるというわけではありません。
注意してほしいことが、以下の2点あります。

・単純にコスト削減だけで計算しない
・長期運用による変化も考慮する

それぞれどういうことか説明していきましょう。

2-1. 単純にコスト削減だけで計算しない

まず、「TCO削減」は単純な「コスト削減」とは似て非なるものです。
目先のコスト削減だけを追い求めていては、逆にTCOが増大してしまう可能性もあります。

たとえば、「初期導入コスト」は「見えるコスト」であるため削減しやすいものです。
PCを新品でなく中古にする、オプションのサポートサービスを契約せず、もっとも低額のプランを選ぶ、カスタマイズできないかわりに安価なシステムを導入する、などです。

が、この考え方は単なるコストカットで、「TCO」の概念ではありません。

TCOは、「見えないコスト=ランニングコスト」こそを重視します。
これを踏まえると、前述の例では、「中古のPCは故障しやすいため修理費用やメンテナンスの手間がかかり、新品を買うより返ってコストがかさんだ」「予想したよりサポートサービスを利用することが多く、トータルすると高額プランよりさらに高くなった」「システムがカスタマイズできないため、業務の工数が多くなってしまった」といった結果になる可能性もあるのです。
そうなれば、TCOは削減どころか増加してしまいます。

TCOは、システムの導入から運用、そして最後に廃棄するまでのすべての期間にわたるすべての費用を含めて計算するものです。
そのため、ひとつのコストカットがのちのち別のコスト増を生む可能性も考慮しなければなりません。
むしろ「削減」という言葉に捉われすぎずに、「TCOを最適化する」と考えるべきなのです。

2-2. 長期運用による変化も考慮する

前項とも関連しますが、TCOを考える際には、システムの導入から廃棄までの長期にわたる視点が必要です。その間には企業にさまざまな変化があると予想されるため、その変化も考慮して計算しなければなりません。

「今後5年間で事業規模を◯倍にする」「従業員を◯◯人まで増やす」「ユーザーを◯百万人まで増やす」といった目標や予測がある場合は、それに見合ったシステムや体制づくりが必要です。
コスト削減に気を取られるあまり、この変化を無視してしまうと、「事業拡大で業務量も従業員も増えたのに、システムがそれに対応できない」「ユーザーが急激に増えたため、サーバーのデータ容量が足りずに不具合が起きた」といったこともあり得ます。
そうなれば、予期せぬコストが発生したり、機会損失による損害を被ったりしかねません。

システムを利用する中で、会社や取引先や社会にどのような変化が予想されるか、それも含めてこそTCO削減が可能になるのです。

3. TCO削減を考えるタイミング

ここまでで、TCOに関する基本的な知識は確認できました。
いよいよここから実際にTCOを削減する方法について考えていきましょう。

まず最初に知っておきたいのは、TCOの削減には適したタイミングがあるということです。
それは、「新しいシステムの導入時」と「システムの入れ替え時」です。

新しいシステムを導入する際には、事前に既存のシステムをもとにTCOを算出します。
それを踏まえてコスト削減できる部分を洗い出し、できるだけ削減した上で導入に踏み切れるため、導入後に「あの費用も削減できたのに」と気づいて後悔するといったことは最小限に抑えられるでしょう。

また、既存のシステムを入れ替える際には、そのシステムを運用してきた実績をもとに正確なTCOを計算することができるでしょう。
特に、機会損失コストについては実際のトラブル事例から損失額を算出することが可能です。
場合によっては「あの費用を削減してしまったために、逆にトラブルで損失が大きくなった」というケースがあるかもしれません。
そのように、将来発生するかもしれない利益と損失を考慮した上で、全体的なコスト削減をはかれるいい機会だと言えます。

4. TCO削減の方法

TCOの算出ができたら、いよいよ削減を考えていきましょう。
TCOはシステム導入の総コストですので、コストカットできる部分や手段はさまざまあります。
その中でも、多くの企業が実施しているのは以下のような方法です。

4-1. 既存のIT資産を整理する

まず第一に、現在社内にあるPCやサーバー、ネットワーク機器などのIT資産を整理しましょう。
PCの台数だけでなく1台ごとのスペックやOSのバージョン、ソフトウエアなどもすべて洗い出します。
その上で、利用できるものとできないものに仕分けし、利用できるものはどの部署で誰が利用するかを割り振ります。
利用できないものは、保持しているだけでも保管場所や管理の手間、コストがかかるため、思い切って廃棄してください。

4-2. ハードウエア・ソフトウエアの調達方法を統一する

コンピュータやサーバーなどのハードウエア、ソフトウエアを用意する際に、その方法を統一するのも有効です。
購入するかリースするかを決め、なるべく同じ窓口から購入、もしくはリースするようにしましょう。
それにより、一括購入の割引など優遇が受けられる可能性があります。

4-3. デスクトップ環境を統一する

また、上記と併せてデスクトップの環境も統一するとよいでしょう。
メーカーや機種がバラバラであれば、購入の手続きやメンテナンスなどをそれぞれ行わなければならず、費用も時間も取られてしまいます。
その点、同一機種で揃えておけば、管理がしやすくコストも抑えられます
もちろん基本的なソフトウエアも統一したほうが、導入コストを最小にできるでしょう。

4-4. サーバーを統合する

もしサーバーが複数拠点に分散されているなら、1か所に統合するのもいいでしょう。
離れた場所に複数のサーバーがあると、運用・保守費用が拠点数分だけかかります
それを集約できれば、管理コストもハードウエア自体の費用も抑えられます。

また、サーバーの台数を減らせれば、セキュリティリスクも減らすことができるはずです。
これにより、将来起こるかもしれないセキュリティインシデントの確率を低く抑えることになり、機会損失コストを削減することにもつながります。

ただし、バックアップ用のサーバーがある場合は別です。
バックアップは、元のデータとは別のところに保存することに意味があるので、統合はせず別に保持してください。

4-5. 運用・保守をアウトソーシングする

ランニングコストを削減する方法のひとつとして、運用・保守業務をアウトソーシングすることもよく行われています。
自社のエンジニアを保守業務に割くよりも、外注したほうが人件費をカットできる可能性があるためで

4-6. ヘルプデスクの設置

社内でシステムを利用していると、日常的なトラブルや問い合わせが意外に多いものです。
そのたびに業務が停止してしまうと、機会損失コストが大きくなってしまいます。

それを削減するには、社内にヘルプデスクを設置するのが有効です。
担当者がシステム障害など社内のITトラブルに一括対応すれば、素早い復旧ができ機会損失コストを最小限にとどめることが期待できるでしょう。

4-7. クラウドに移行する

大幅なTCO削減を目指すなら、システムをインストール型からクラウドに移行するのも有効です。
クラウドサービスは、初期導入費用が少ない、もしくは必要ないため、「見えるコスト」を小さく抑えられます。
また、運用・保守やトラブル対応などの管理業務はサービス提供企業が担っているため、ユーザー企業側では維持管理コストが不要です。

ただ、毎月の利用料が発生するため、「見えるコスト」を減らすかわりに「見えないコスト」が増えるとかもしれません。

さらにクラウドサービスの費用体系は、利用量に応じて料金が加算される従量課金制と、契約IDの数(=利用者の数)に応じて金額が決まるものとがあり、自社の利用のしかたに合わないものを選んでしまうと、利用料が無駄に高くなる恐れもあります。

クラウド移行をする際には、これらの要素を含めてTCOを算出し、最適なコスト削減ができる計画を立ててください。

アークサーブのデータ保護ソリューション
「Arcserve UDP」がおすすめ

システム導入の際には、適切なバックアップが欠かせません。
多様なサイバーインシデントから大切なシステムやデータを守るには、アークサーブのデータ保護ソリューション「Arcserve UDP」がおすすめです。
データ保護に関する課題全般に対応しつつコストも削減、高度なセキュリティを実現します。

◎「Arcserve UDP」の主な機能◎
ファイル単位ではなくディスク全体を丸ごと高速バックアップする「簡単イメージバックアップ」で、OSやデータを含むシステム全体をまとめて簡単に復旧します。
その他にも、以下のような多彩な機能を備えています。

<簡単!でも柔軟にバックアップ>
簡単なだけでなく、小規模・大規模、物理・仮想・クラウド、Windows・Linuxを問わず、柔軟なバックアップやリストアを実現
・継続的な増分バックアップ
・アプリケーションの簡単バックアップ
・ベアメタル復旧
・ドラッグ&ドロップによる簡単ファイルリストア など

<仮想化統合基盤に関わる要件をまとめて対応>
仮想環境に統合するシステムに求められる多くの機能を盛り込みました
・物理・仮想マシンの統合管理
・エージェントレス バックアップ
・イメージバックアップのテープ保管
・コマンドラインインターフェイス など

<災害対策を適切なコストで実現>
災害対策ソリューションに求められる多くの機能を盛り込みました
・バックアップデータの重複排除
・バックアップデータのレプリケート
・仮想スタンバイサーバーの自動作成
・インスタント VM など

まずは「Arcserve UDP」の無償トライアルをお試しください!
ダウンロードはこちらから

5. まとめ

いかがでしたか?
TCOについて、知りたかったことがわかったかと思います。
では最後にあらためて、記事の要点をまとめてみましょう。

◎TCOとは「コンピュータシステムを利用する際、その構築から導入、保守運用などすべてにかかる「費用」と「時間」の総計を指す概念」
◎TCOに含まれるコストは、
・見えるコスト=初期導入費用
・見えないコスト=ランニングコスト、機会損失によるマイナスのコスト
◎TCO削減の方法は、
・既存のIT資産を整理する
・ハードウエア・ソフトウエアの調達方法を統一する
・デスクトップ環境を統一する
・サーバーを統合する
・運用保守をアウトソーシングする
・ヘルプデスクの設置
・クラウドに移行する

これを踏まえて、あなたの会社がTCO削減に成功するよう願っています。

コメント

ダウンロードして、その実力を実際にお試しください。当社の高性能で革新的な製品およびソリューションで、IT管理におけるリスクと複雑さを低減しましょう。
無償トライアルを試す
無償トライアルを試す