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サーバ仮想化のメリットは5つ!本当にメリットになるのか判断しよう

「サーバ仮想化のメリットってなに?」
「サーバ仮想化はメリットしかないの?」 

このようにサーバ仮想化を導入したいと思っているが、サーバ仮想化のメリットは何なのか、本当に自社で導入してもメリットになるのか分かってから導入したいですよね。

サーバ仮想化のメリットは、5つあります。

サーバ仮想化のメリット

サーバ仮想化を導入することで大幅なコスト削減や省エネ効果を得ることができるので、導入した方があなたの会社にとっても良い環境になるかもしれません。

例えば、5台あるサーバを仮想サーバにすることで1年間で約36万円の電気代を削減することも可能となります。これより多くのサーバを仮想化する場合には、もっと多くの電気代を削減することができます。

このようにサーバ仮想化を導入することで得られるメリットは大きいですが、仮想化するサーバが少ない場合にはコストの削減効果がなかったりと本当に自社で導入してもメリットがあるのか判断する必要があります。

そこでこの記事では、 

  • サーバ仮想化のメリット
  • サーバ仮想化のデメリット
  • サーバ仮想化を導入する前に確認するべきこと
  • サーバ仮想化が向いているケースと向いていないケース

を解説していきます。この記事を読めば、サーバ仮想化のメリット・デメリットが分かり、本当に自社で導入するべきなのか判断することができるはずです。 

サーバ仮想化のメリットを知ってから導入するか判断したいという人は、ぜひ最後まで読み進めてください。

1. サーバ仮想化の5つのメリット

サーバ仮想化にはどのようなメリットが考えられるのでしょうか。
メリットは、5つあります。

サーバ仮想化の5つのメリット

それぞれ詳しくみてきましょう。

1-1. コストの削減

サーバを仮想化することで2つのコストを削減することができます。

コストの削減

サーバ仮想化という新しいシステムを導入するのに本当にコストが削減されるのか不安な人も多いのではないでしょうか。
それぞれどのようなコストが削減されるのか解説していきます。

1-1-1. ハードウェアの保守費・サポート費

月次・年次で発生するハードウェアの保守費用やサポート費用を削減することができます。

 物理サーバの数が多ければ多いほど保守費用やサポート費もかかるため、サーバの数が少なくなるとその分コスト削減が叶います。

 さらに保守運用に配置されている人員も減らせ、人件費削減も可能となります。

【IT用語を解説!】 物理サーバ:物理的に存在するサーバコンピュータのこと。

1-1-2. コロケーションコスト

コロケーションコストもカットできるメリットがあります。
コロケーションとは、データを社内ではなくデータセンターで管理することです。

コロケーションを行うことで安全性を高めたりサーバの設置スペースが確保できたりといったメリットがあり、利用してる企業も多いのではないでしょうか。
しかし、コロケーションを利用していると1ヶ月数十万円ほどの費用がかかります。
サーバを仮想化しサーバの台数をへらすことで、コロケーションコストも削減することができます。

1-2. 省エネ・省スペース

サーバ仮想化は、省エネや省スペースにも期待ができます。
それぞれどのような効果があるのかみていきましょう。

1-2-1. 省エネ効果

サーバを仮想化することでサーバにかかる消費電力を抑えることができます。 
稼働率が低いサーバでも最大消費電力の約60%も使用しているため、サーバ台数があるだけ電力もかかっています。例えば、サーバが5台あった場合の消費電力を考えてみます。

【450Wのサーバが5台同時に24時間稼働した場合の消費電力】
    450W×5台×24時間=54kWh 

【1ヶ月の消費電力】
    54kWh×30日=1,620kWh

 この場合1ヶ月1,620kWh消費電力がかかり、1kWあたり電気代を25円で計算すると、
 1,620kWh×25円=40,500円 
となります。 

このサーバ5台を仮想化して1台にすると単純計算で、
450W×1台×24時間×30日×25円=8,100円 
になります。

つまり1ヶ月で約30,000円ほどの消費電力の削減につながるのです。 
さらにサーバをマシンルームなどで管理している場合マシンルームの空調も削減されるので省エネ効果があります。

1-2-2. 省スペース効果

サーバ仮想化でサーバ台数が少なくなれば、設置場所のスペースを節約することもでき室内がすっきりとします。
わざわざサーバ用の部屋を作っていた場合にも部屋がいらなくなり、空いたスペースを有効活用できるでしょう。

1-3. 運用効率が良くなる

サーバ仮想化は運用効率アップにもなります。
仮想化することで異なるオペレーションシステム(OS)であっても、運用を簡単に管理することができます。
仮想化された物理サーバ1台で複数のOSに対応できるので、何人もの人を配置する必要もありません。 

サーバの追加や削除・バックアップ作業も簡単に済ませることができるのも魅力です。バックアップはサーバ内のものをすべてとることができるので、1つ1つとる手間が省けます。

1-4. リソースを有効活用できる

リソースを有効活用できることもサーバ仮想化のメリットです。物理サーバのCPU使用率が50%以上使用しているものは多くありません。
物理サーバが数台あっても、実際ふたを開けてみるとすべてCPU使用率は少しだけだったなどという状態はよくあることです。 
特に同じ社内であっても、部署や部門ごとにサーバを利用しているところは、サーバーリソースを持て余していることが多いのです。 

そんなときは、仮想サーバを複数構築することで、余剰リソースを有効活用できるので、無駄をなくすことができます。

仮想サーバ リソースの有効活用

サーバ仮想化を行った後にもリソースに余剰があれば、必要に応じで拡張することも簡単です。

【IT用語を解説!】 
リソース:コンピュータを稼働する際に必要なメモリ容量やハードウェアの容量、CPUの処理速度などの資源。 

CPU(Central Processing Unit):日本語では「中央演算処理装置」と訳される。周辺機器やソフトウェアからの指示を処理したりメモリを制御したりする装置。CPUが性能が高いほどデバイスの動作が速く快適になる。

1-5. 災害対策として活用できる

災害対策としても一役買ってくれるのがサーバ仮想化の良いところです。
仮想サーバは冗長化構成が容易なので、災害時にも迅速にサーバ環境の復旧が可能です。
具体的には、遠隔地にある複数のバックアップサイトにコピーをしておくことで同じサーバ環境を整えることが可能になります。
仮想サーバごとバックアップしたものを別のハードウェアに移動させると、今まで通り変わりなくサーバを使うことができます。
ただしリモート環境のあるバックアップセンターに定期的にバックアップする必要があります。

 災害や通信障害はいつ起こるか分からないものなので、定期的なバックアップは忘れずに行いましょう。

【IT用語を解説!】 

冗長化:何らかの障害が発生したときに備え、ハードウェアやシステム構成などの予備を配置・運用しておくこと

2. サーバ仮想化の2つのデメリット

サーバ仮想化には様々なメリットが考えられますが、その反面デメリットもあります。

サーバ仮想化の2つのデメリット

デメリットも把握したうえで、サーバ仮想化を取り入れるか検討してみましょう。

2-1. セキュリティ対策が複雑

まずサーバ仮想化のデメリットとして考えられるのはセキュリティ対策が複雑なことです。
物理サーバの場合セキュリティ対策は、サーバ単体にインストールされたOSやアプリケーションが基本です。
しかし仮想サーバの環境となると、一台のサーバに複数のオペレーションシステムをインストールしている状態になるので、複雑な対策が必要となります。

 もちろんこれまで通りアプリ等でもセキュリティ対策を行い、さらに仮想環境特有のセキュリティ管理が求められます。

 仮想化された中で、どのような手段で守っていくのかをしっかり考える必要があるのです。
 仮想サーバを集約した物理サーバのセキュリティが破られウイルスに感染したりサイバー攻撃を受けた場合、物理サーバだけでなく仮想サーバの情報も抜き取られたり破損したりする危険があります。
 対策としては、物理サーバだけでなくすべての仮想サーバにセキュリティソフトを導入することが効果的です。

2-2. サーバのリソースが少ない場合は効率が悪くなる

サーバのリソースが少ない場合は、効率が悪くなってしまうのもデメリットといえます。
仮想サーバは物理サーバのハードウェアリソースに依存しているため、物理的なメモリやディスク・CPU機能を分割している状態です。そのため処理性能は物理サーバと比べて劣ってしまいます。

 サーバのリソースが少ないのにサーバ仮想化を行うと仮想化されたサーバのリソースも少なくなり処理速度が遅くなってしまいます。

サーバ仮想化リソース不足

このようなサーバを仮想化するとリソースもなく効率よく運用できそうですが、仮想サーバの処理速度はかなり遅くなってしまいます。
これでは効率化を図るために行った仮想化も使い勝手が悪い方向に転んでしまいます。
仮想サーバをストレスなく運用するためには、ある程度余裕を持ったスペックのサーバを選ぶ必要があります。

3. 本当にメリットになる?サーバ仮想化を導入する前に確認するべきこと

メリット・デメリットとどちらの面もあるサーバ仮想化ですが、導入すると本当にメリットになるのでしょうか。

 導入してから失敗に気づくと、手間も時間もとられる上に精神的ダメージも負います。

 サーバ仮想化を導入する前に確認しておきたいことを3つ紹介しますので、ご自身の環境に当てはめて1つずつ考えてみましょう。

3-1. 本当にコストの削減になるか

まず考えておきたいことは、本当にコストの削減になるのかという点です。

 サーバ仮想化のメリットとして人件費の削減や物理サーバの追加導入コストの削減はメリットになります。

 しかし、仮想化するサーバの台数が少ない場合、初期費用と運用コストを合わせると物理サーバの方が安くすむ場合もあります。

 主な初期費用と運用コストは、以下の通りです。

サーバ仮想化の初期費用と運用コスト

このようにサーバ仮想化を導入する際には、サーバの買い替えなどによって多くの初期費用がかかります。運用・維持コストは削減できるとしても削減量よりも初期費用の方が多くかかれば、コスト削減につながらないこともあるので注意が必要です。

導入する際には、これらのコストをしっかりと計算し、導入した方がコストが削減できるのか判断しましょう。

3-2. クラウドサーバで対応できないか

サーバ仮想化をしなくてもクラウド化で対応できる場合は、クラウドサーバの方が使い勝手が良いこともあります。

クラウドとは、ソフトウェアやデータがなくてもネットワーク上で自由に使えるようにするサービスです。クラウドと仮想化では、サービスと技術という明確な違いがあります。

クラウドのメリット・デメリットは、以下の通りです。

クラウドのメリット・デメリット

サーバ仮想化をしなくても、インターネット経由でサーバに接続をすればクラウドでも対応が可能です。

サーバ仮想化と比べると導入が簡単であったり、必要に応じてクラウドサーバのスペックやリソースを簡単に増減できたりと専門的な知識を持った人がいなくても導入・運用することができます。

サーバ仮想化とクラウドのどちらの方がメリットが大きいか比較して検討してみると良いでしょう。

3-3. OSが最新サーバに対応しているか

オペレーションシステムであるアプリケーションやデバイスを作動させるソフトウェアは最新サーバに対応しているのかも確認が必要です。

 サーバ仮想化したものの、正常に起動してくれなければ努力が水の泡になってしまいます。

 現在使っているのOSが最新サーバに対応可能かチェックするのは必須項目になります。

4. サーバ仮想化が向いているケース・向いていないケース

最後に、サーバ仮想化が向いているケースと向いていないケースをご紹介します。あなたの会社がサーバ仮想化の導入が向いているのか、向いていないのか判断しましょう。

4-1. 向いているケース

【サーバ仮想化が向いているケース】
  • 台数削減効果を得たい場合:サーバが5台以上ある
  • リソースの有効活用効果を得たい場合:サーバ20台以上ある
  • サーバ仮想化のシステム管理者がすでにいる

2011年にノークリサーチが行った「国内中堅・中小市場におけるサーバ環境の実態と展望に関する調査」によると、サーバ仮想化を導入することで台数削減効果があるのはサーバが5台以上ある場合という結果が示されています。

また、リソースの有効活用効果があるのは、サーバが20台以上ある場合です。

どのような効果を得たいかによってサーバ台数が異なるので、あなたの会社がどういった効果を得たいのかとサーバ台数を照らし合わせてみると良いでしょう。

また、サーバ仮想化の導入・運用には、知識と技術が必要となります。サーバ仮想化システムを管理できる人がいれば良いですが、いない場合はさらに人を雇わなければならなくなるので人件費がかかることになります。

4-2. 向いていないケース

【サーバ仮想化が向いていないケース】
  • サーバの数が1〜4台
  • 高い処理能力が必要なシステムの場合

サーバ仮想化は、ハードウェアの余剰リソースを使うので負荷がかかりやすく、物理サーバに比べて処理速度が遅くなってしまう傾向があります。

そのため、高い処理能力が要求されるシステムの場合には、仮想化サーバが使えなかったり、処理速度が遅くなり効率が悪くなることがあるので注意しましょう。

5. まとめ

サーバ仮想化のメリットは5つあります。
サーバ仮想化の5つのメリット

コストの削減や省エネなど大きなメリットがありますが、デメリットも必ず確認しておきましょう。

サーバ仮想化の2つのデメリット

さらに、導入する前には以下のことも確認することが大切です。

サーバ仮想化の事前確認事項

自社でサーバ仮想化を導入することで本当にメリットとなるのか、判断しましょう。

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