ファイルサーバーのバックアップ|最適な方法と保存先、注意点を解説

「ファイルサーバーのバックアップは何を選べばいいのだろう」
「自社のファイルサーバーに最適なバックアップ方法を知りたい」

企業にとってデータの重要度は年々増しており、データを守るためのファイルサーバーのバックアップはリスクマネジメントとして最重要課題ともいえるでしょう。

ファイルサーバーのバックアップとは、万が一のファイルサーバー破損に備えるため、使用しているシムテム構成やデータのコピーを作り保存しておくことです。 

今や、ビジネス活動を安定して維持するためにも、適切なバックアップは必要不可欠といえるでしょう。
しかし、どのようなバックアップを選択すればいいのか分からない人も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では

  • ファイルサーバーのバックアップとは
  • ファイルサーバーのバックアップデータの保存先
  • ファイルサーバーのバックアップデータの保存先を選ぶポイント
  • データを守るために普段からやっておくべきこと
  • 併用することでバックアップを強力にサポートする技術

をお伝えします。
ファイルサーバーについて理解が深まれば、会社にとって最適なバックアップ方法を選択することができます。災害からデータやファイルを守り、安定したビジネスを維持することも可能です。ぜひ最後までお読みください。

1. ファイルサーバーのバックアップとは

ファイルサーバーのバックアップは、会社を継続的に維持するために大変重要です。
普段何気にファイルサーバーのバックアップを行っていると、その重要性になかなか気が付かないかもしれません。

しかし、適切なバックアップを行なわないと、ファイルサーバーが破損すると同時に業務が滞り、ビジネスが完全に停止する恐れがあります。
そこでこの章では、

  • ファイルサーバーのバックアップとは
  • ファイルサーバーが重要な理由
  • バックアップの3つの方法
  • バックアップの課題

 をくわしく解説していますので、バックアップについての重要性を再確認していきましょう。

1-1. ファイルサーバーのバックアップとは

ファイルサーバーのバックアップとは

ファイルサーバーのバックアップとは、ファイルサーバーのトラブルに備えるため、システム構成やデータのコピーを作っておくことを指します。

そもそもファイルサーバーとは、会社のLANなどのネットワーク上でデータやファイル管理を行うためのコンピューターです。個々のパソコンで作成されたファイルやデータを保存し、共有することができます。

反面、トラブル等でファイルサーバーが破損した時の影響は、業務が一斉に停止するなど甚大なものになります。

最近では、あらゆる書類がペーパーレス化していることや、取引先や顧客とのコンタクトもコンピューターに依存しているため、データにアクセスできない状態はまさに「会社の危機」となります。

長引くと、会社としての信用低下や取引の停止、さらには株価暴落にも繋がります。

しかし、適切にバックアップをしていれば、すぐにシステムやデータを復元し、業務を再開することが可能になるのです。

企業にとってファイルサーバーの適切なバックアップは、重要なリスクマネジメントの1つなのです。

1-2. バックアップは状況に応じて3つの方法を使い分ける

ファイルサーバーのバックアップ方法には3つの種類があり、状況に応じて使い分けることが大切です。
その方法はつぎのとおりです。

ファイルサーバーバックアップ3種類の方法
種類バックアップの範囲バックアップの所要時間
フルバックアップファイルサーバー内のすべてデータの量が多いと、かなり時間がかかる
差分バックアップ前回フルバクアップした時点からの更新部分フルバックアップよりは時間がかからないが、フルバックアップを行うまでデータが増え続ける
増分バックアップ更新された部分のみ一回のバックアップするデータ量が少なく、時間がかからない。

バックアップは、ファイルサーバーのすべてを行うフルバックアップを行うと安心ですが、データ量が多いとかなりの時間がかかります。

しかし、フルバックアップされたあとのデータだけをバックアップする差分バックアップや、日常的に更新されたデータのみをバックアップする増分バックアップでは、さほど手間や時間がかかりません。

そのため、これらの3つの方法を状況によって使い分けることで、効果的なバックアップになります。
それぞれの方法について解説していきます。

1-2-1. 完全だが時間がかかる「フルバックアップ」

フルバックアップの特徴
特徴ファイルサーバー内のデータを完全にバックアップする
メリット復旧の際に手間がかからず、スピードも速い
デメリットバックアップを行う時にかなりの時間がかかる

フルバックアップとはファイルサーバー内のすべてのデータを完全にバックアップする方法です。

フルバックアップを行えば、ファイルサーバーにトラブルが起きても、最後にバックアップした時点に完全に戻ることができます

また、フルバックアップしたデータやファイルは1つの大きなデータとしてまとまっているので、復旧の手間やスピードはかなり小さくなります。

ただし、すべてのデータのバックアップを行うのはかなりの時間がかかります。

データの量にもよりますが数日かかる場合もあり、その間システムはつかえません。
そのため、ちょっとしたデータの変更だけでフルバックアップを行うのは現実的ではありません。

1-2-2. 定期的に行うと安心の「差分バックアップ」

差分バックアップの特徴
特徴フルバックアップした時点から増加したデータのみをバックアップする
メリットフルバックアップほどバックアップに時間がかからない
デメリットフルバックアップを行うまで、バックアップするデータが増え続ける

差分バックアップは、前にフルバックアップを行った時点からの更新や追加データのみをバックアップする方法です。

フルバックアップに比べるとバックアップする容量が少ないため、それほど時間がかかりません。
しかし、フルバックアップを行うまでデータが増え続けるので、徐々に時間がかかるようになります。

そのため、定期的に行いたいバックアップです。

フルバックアップしたデータと差分バックアップのデータが2箇になりますが、トラブルが起きた際も修復作業はスムーズに行えます。

1-2-3. 日常的に行いたい「増分バックアップ」

増分バックアップの特徴
特徴前回バックアップしてから増加したデータのみをバックアップする
メリットバックアップに時間がかからず日常的に行える
デメリット細かいデータが増えるため、復旧に手間や時間がかかる

増分バックアップは、前回バックアップしてから変更や追加があったデータのみをバックアップする方法です。

差分バックアップはフルバック以降の変更データであるのに対し、増分バックアップは最後に行われたバックアップ(フルバックアップ・差分バックアップ・増分バックアップを含む)以降の更新データを対象としています。

バックアップするデータの量が少ないため、時間がかからず日常的に行える方法です。

しかし、細かいバックアップデータが増えるため、データ復旧には手間や時間がかかります。
この3つのバックアップを併用することで、強固で効率の良いバックアップを行うことが可能になります。

バックアップ方法のスケジューリングについては「4-1. バックアップのスケジューリングをする」を御覧ください。

1-3ファイルサーバーのバックアップが重要な理由

ファイルサーバーのバックアップが重要な理由

では、ファイルサーバーのバックアップが重要な理由を、具体的に見ていきましょう。

ファイルサーバーのバックアップは、次のようなことを防ぎます。

  • ヒューマンエラーによるデータ喪失
  • 機器の劣化によるデータの破壊や消失
  • ソフトウェアによる障害
  • 災害によるデータの破壊や消失

それぞれ解説していきましょう。

1-3-1. ヒューマンエラーによるデータの喪失に備えるため

ファイルサーバーのバックアップはヒューマンエラー、いわゆる人の誤操作によるデータ喪失に備えることができます。

ヒューマンエラーには次のようなものがあります。

主なヒューマンエラー
  • 操作ミス:誤ってファイルやデータを消去した
  • 設定ミス:設定を誤ってシステムに障害が起きた
  • メンテナンス不備:メンテンナンスを忘れて障害に気が付かなかった

ファイルサーバーのバックアップを強固にすることで、ミスをする前の状態に簡単に戻るなど、データ喪失リスクを最小限に抑えることができます。

ヒューマンエラーは個人の問題と思われがちですが、「そもそも人間は過ちを犯すもの」を前提とした、ミスを起こしにくい体制や仕組みづくりが大切です。

その上で、業務に最適なバックアップ方法を選択することで、ヒューマンエラーに備えることが可能になります。

1-3-2. 機器の劣化によるデータの破壊や消失を防ぐため

ファイルサーバー本体の劣化や故障など、物理的な障害でデータが破損することを防ぐためにもバックアップは重要です。

ファイルサーバーの物理障害では、記憶領域が破損する可能性が高く、データを読み込めなくなったり、消滅したりすることもあります。

一度データが破壊されると復元するのはかなり難しく、手間もコストもかかります。

こまめにバックアップを取ることで、破損する前の状態に戻ることができます。

ファイルサーバーのバックアップはデータの消失リスクを最小限に抑えることができます。

1-3-3. ソフトウェアによる障害を防ぐため

ファイルサーバーのバックアップはソフトウェアが原因の障害からデータを守るためにも大切です。

ソフトウェア障害とは、機能的な障害がないもののデータを読み込めなくなる場合や、データが破損するような症状を指します。

さらに、セキュリティ攻撃などによるソフトウェアの誤作動なども含みます。

データが破損や消失してしまう前に、最適なバックアップを取ることでソフトウェア障害からデータやシステムを守ることができます。

1-3-4. 災害によるデータの破壊や消失から守るため

災害によるファイルサーバーの破壊からデータを守るため、バックアップの体制を整えることは重要です。
想定される自然災害は次のようなものがあります。

想定される自然災害
  • 火災による焼失
  • 地震での落下衝撃
  • 水没による基盤ショート
  • 落雷による過電流・過電圧

これら災害によるファイルサーバーの破壊は、データを復元できる可能性が低く、どのようにバックアップを取っていたかが大きな問題になります。

同じ建物内やサーバー内でバックアップを取っている場合は、ファイルサーバーと同じ様に破損しているからです。

大きな自然災害からデータを守るには、遠隔地でバックアップを取る方法が1番有効です。
遠隔地でのバックアップについては「2-4.遠隔地バックアップ」を参照してください。

1-4. ファイルサーバーバックアップの課題

ファイルサーバーバックアップの課題近年、データの膨大化や進化に伴いバックアップ方法の選択肢は増えています。

それでもその運用にはいくつかの課題があり、バックアップ方法を選択する場合には考慮するべき問題です。

それぞれの課題について見ていきましょう。

1-4-1. アクセス速度が遅いと時間がかかる

ファイルサーバーのデータ量が多い場合、バックアップにかなりの時間がかかります。

たとえば、オンラインストレージに大量のデータのバックアップを行う場合、アクセス速度が遅いため、業務時間になっても終わらないケースもあります。

システムによってはバックアップ時にパソコンを利用できなくなったり、バックアップによって全体のネット回線速度が遅くなったりして、仕事に差し障りが出ることもあります。

アクセス速度の速いバックアップ方法を選択するか、会社の回線環境を強化するなどの対策が必要になる場合があります。

1-4-2. リスク分散が必要である

バックアップ方法は絶対的に安全というものはなく、それぞれに得意・不得意なものがあるので、2〜3に分けてリスクを分散させる必要があります。

たとえば、物理障害のないオンラインストレージは安全と思われがちですが、サービス提供会社のシステムに障害が起きた場合には、データが消失する可能性があります。

また、手軽でアクセス速度の早い外付けHDDやSSDは、災害の際にはファイルサーバーと同時に破損する可能性が高くなります。

そのため、いくつかのバックアップ方法を利用してリスクを分散することも必要となります。

1-4-3. 容量が追いつかない場合がある

バックアップ保存先の容量について問題を抱えている企業もあります。

近年、企業が取り扱うデータの量は莫大なものになり、ファイルサーバーの容量を圧迫するようになっています。

特に動画データを多く取り扱っている企業などでは、既存のバックアップ保存先の容量が追いつかず、保存先を増設したり、データを圧縮したりして対応していますが、運用コストが膨大になるケースもあります

今後、ますます増えるであろうデータのバックアップをどうするのかは、重要な課題といえます。

2. ファイルサーバーのバックアップデータの保存先4種類

ファイルサーバーのバックアップデータ保存先4種類

ファイルサーバーのバックアップの重要性や方法についてご理解いただけたと思います。
しかし、とにかくバックアップさえ取っておけばいい、というわけではありません。

バックアップを考える上で外せないのは「どこにバックアップを行うべきか」という点です。
バックアップの保存先は、データの堅牢性を大きく左右するからです。

バックアップデータの保存先は大きく分けて次の4つになります。

バックアップデータの保存先と特徴
HDD・SSD手軽で安価に導入可能、物理的障害に弱く寿命は短い
磁気テープ書き込みも早く、大容量で長寿命だが初期コストが高い
クラウドストレージ物理障害がなく利便性が高いが、大容量だとコスト高になる
遠隔地バックアップ災害リスクが低く、強固なバックアップが可能※保存媒体としてはテープやクラウドを利用

どのような違いがあるのか説明していきましょう。

2-1. 外付けHDD・SSD

ファイルサーバーのバックアップとして1番費用が安く手軽に導入できるのは、外付けのHDDやSDDを利用する方法です。

外付けHDDは長年バックアップの保存先として主流でしたが、物理障害に弱いことから、衝撃に強く通信速度の早いSSDを利用するケースが増えています。

ただし、HDDもSSDもファイルサーバーと直接接続して利用するケースが多く、災害では同じ被害を受けやすいため、重要なデータを長期間バックアップするのには向いていません。

寿命も5年と短いため、いざという時のために他のバックアップ方法と併用するなどの対策は必要です。

2-2. 磁気テープ

ファイルサーバーのバックアップ保存先として、磁気テープが再注目を集めています。

磁気テープとは、テープ状のフィルムに磁性体を塗布した記録媒体で、磁化の変化でデータを記録保存しています。
磁気テープは一世代前のイメージがありますが、実は最先端IT企業も利用するほど信頼性の高いものです。
たとえば、HDDの寿命は5年ほどですが、磁気テープの寿命は約30年間あり長期保存が可能です。
アナログであるためウィルス感染によるデータ損失のリスクが低く、安定したデータの保管が可能であることから、東日本大震災後再評価されています。

磁気テープ自体も進化を遂げており、低コストでありながら大容量のデータを高速転送することも可能になっています。
他の保存先と併用し、アーカイブ用のデータ保存庫として導入する事例も増えています。

2-3. オンラインストレージ 

最近増えているのが、オンラインストレージ(クラウドストレージ)によるバックアップです。

複数のコンピューターを同時にバックアップでき、設置する機器もなくて導入も簡単です。

物理的な危機の設置が無いので、データ破損のリスクも少なく、サービスの内容も業務や利用環境に合わせて柔軟に選択することができます。

しかし、まだまだ大容量のデータに対応しておらず、データ書き込み速度が遅いため、ネットワークに負荷がかかる場合があります。

データの保管がサービス会社に依存している点や、インターネットに接続していないと利用できない点も不安があります。

長期保存用の大容量データは物理的なバックアップを選択し、日常で利用する文書などはオンラインストレージを利用するなど、使い分けも考えるべきです。

2-4. 遠隔地バックアップ

保存媒体そのものではありませんが、災害に備えてファイルサーバーの複製(レプリカ)を遠隔地で作成する保存方法です。

媒体としてはクラウドや磁気テープなどを利用し、レプリケーションという技術が使われます。

レプリケーションとは、メインのファイルサーバーと同じシステム環境を持つ「レプリカ」を遠隔地に用意し、リアルタイムにデータを複製する技術です。

災害でメインのファイルサーバーがダウンしても、遠隔地に設置しているので影響が薄く、すぐにシステムを復旧できます。

東日本大震災から高まった遠隔地レプリケーションの重要性
遠隔地レプリケーションの重要性は、2011年に起きた東日本大震災から高まった。 

震災では、多くの企業や行政のファイルサーバーが水没、又は破損したため、復旧活動が遅れた事例もある。特に役場の戸籍データ原本が喪失した事例から、法務省では戸籍データを「戸籍副本データ管理システム」を構築し、遠隔地で保管するようになった。 

震災の経験により、同一の電力会社管轄内での遠隔地レプリケーションを避け、メインのファイルサーバー設置場所よりも500〜1,000km程度離れた場所に設置することが推奨されている。

ただし、レプリケーションはメインのファイルサーバーと同時に更新されていくので、厳密には「バックアップ」ではありません。

通常のバックアップのように、指定された時点に戻ることは出来ないので、ファイルサーバーのバックアップは別に考える必要があります。

3. ファイルサーバーのバックアップデータ保存先を選択するポイント

ファイルサーバーのバックアップデータ保存先を選択するポイント

これまでの説明で、ファイルサーバーバックアップの重要性や方法などについてよくお分かりになったことでしょう。

では実際に、バックアップデータの保存先はどの様に選べばいいのでしょうか。

選択方法はいろいろありますが、次のポイントを抑えることで選びやすくなります。

バックアップ保存先を選ぶポイント

  • どのようなデータを保存するか
  • 必要な保存期間はどのくらいか
  • 災害からデータを守るBCP対策となるか

このポイントを分かりやすく比較するために、表でまとめると次のようになります。

バックアップデータ比較
 磁気テープHDD・SSDオンラインストレージ
容量
長期保存
災害対策
おすすめする用途

バックアップ方法を選ぶポイント別に解説していきましょう。

3-1. どのようなデータをバックアップするのか

データの種類別おすすめのデータ保存先
日常的に使うデータHDD・SSD、オンラインストレージ
アクセスの少ない大量のデータ磁気テープ

どのようなデータをバックアップするかによって、選択するべき保存先が変わります。

たとえば、日常的に利用するデータがドキュメントなどの文書程度なら、外付けHDDとクラウドを併用するとリスクを分散できて便利です。

しかし、ビッグデータなど過去の膨大な資料や大量の動画、書類をアーカイブ保存したい場合などは磁気テープの利用が1番です。 

寿命が30年と非常に長く、容量も大きいからです。

現在磁気テープの主流となっているLTO(リニア テープ オープン)」では、1巻あたりの容量が18TBで、圧縮して保存すると45TBです。

将来的には192TB(圧縮時480TB)が可能とされており、HDDやSSD​LTO(リニア テープ オープン)​​​の最大容量が16TB程度であることからも、いかに大容量であるかがわかります。

しかし、磁気テープは導入するには初期コストが高いため、日常的にバックアップしたいデータだけなら向いていません。

バックアップしたいデータによって使い分けるようにします。

3-2. 必要なデータの保存期間はどのくらいか

耐用年数の比較
HDD・SSD約5年
磁気テープ約30年
オンラインストレージ物理的にないが、サービス会社や契約に依存

データの保存したい期間によっても選択は変わります。
たとえば、HDDやSSDは手軽で便利であるものの、寿命が5年程度で長期保存には向いていません。

クラウドは物理的な制限はありませんが、サービスの終了や契約の解除でデータが消去されるなど、データの扱いがサービス会社に依存しています。

長期保存が必要なデータが膨大である場合は磁気テープの利用を考えます。

データの保存期間がそれほど必要ではない場合や、長期保存が必要であってもデータ自体が少ない場合はSSDやクラウドを併用し、定期的に機器やサービスを見直すとよいでしょう。

3-3. 災害からデータを守るBCP対策となるか 

BCP対策としての適正
HDD・SSD物理障害に弱い
磁気テープ遠隔地に設置するとかなり有効
オンラインストレージ物理障害に強いがネット環境に依存

BPC対策とは「Business Continuity Plan」の略で、企業が災害などの緊急時に事業を継続するための手段を考えておく計画(対策)をさします。

東日本大震災後にリスクマネジメントとして取り組みが進みましたが、新型コロナウィルス発生以降はさらに「データ」をいかに守るかが注目されるようになっています。

業務上のPCB対策例
  • 書類の電子化・ペーパーレス化
  • オンラインストレージ・クラウドサービスの導入
  • ビジネスチャットなど、社員間での情報共有サービスの導入
  • テレワーク・フレックス制度の導入
  • 遠隔地でのファイルサーバーバックアップ

災害により企業の業務が停滞すると、取引先や顧客に多大な迷惑をかけるほか、会社としての信頼度の低下や株式の下落など、企業としての存続にもかかわります。

そのため、データのBCP対策を社内で検討し、万が一に備える必要があります。

バックアップとしては、オンラインストレージや遠隔地レプリケーションを併用することで強固な対策となります。

4. ファイルサーバーのデータを守るために普段からやっておくべき3つのこと

ファイルサーバーのデータを守るために普段からやっておくべき3つのこと

これまでご紹介してきたように、バックアップを強固にするためにはさまざまな方法があります。
自社に合ったものを選択することで、最適なバックアップが可能になるでしょう。

しかし、どんなバックアップでも完璧ではありません。
たとえば、バックアップをシステムに任せっきりでいると、ちょっとしたエラーも一緒にバックアップされるなど、大きなトラブルに発展する可能性があるからです。

リスクを最小限に抑えるために、普段からやっておくべき3つのことをご紹介します。

4-1. バックアップのスケジューリングをする

フルバックアップ月に1度程度システムが停止している休日等に行う
差分バクアップ週に1度程度データが少ない場合は頻度を高くしてもいい
増分バックアップ毎日さほど時間がかからないので毎日行う

バクアップをする際はシステムを利用することができないため、スケジュールを設定する必要があります。

データの容量にもよりますが、フルバックアップはかなりの時間がかかります。

方法にもよりますが、10TBを超えるファイルサーバーのバックアップには3日もかかることがあり、それより少ない容量でもフルバックアップを日常的に行うには無理があります。

これらのバックアップをスケジューリングして行うことで、効率のよい強固なバックアップが可能になります。

具体的にはOSやバックアップソフトにスケジューリング機能があるので、会社の業務体制にあわせて設定すればいいでしょう。

4-2. バックアップログでエラーファイルをチェックする

バックアップログとは、バックアップした記録や履歴のことで、バックアップに失敗したファイルなどを確認することができます

利用している記録媒体によって確認方法は異なりますが、コピーできなかったファイルは「エラーファイル」などと表示されます。

エラーファイルを放置していると、大事なデータが破損して利用できなくなる可能性があります。

失敗した原因も表示されるので、エラー内容を正し、あらためてバックアップするなどの対策が取れます。

バックアップが終了したあとは、必ずバックアップログを確認しましょう。

4-3. 徹底したセキュリティ対策を取る

ファイルサーバーのバックアップは、徹底的なセキュリティ対策が必要です。

バックアップはそれ自体が情報セキュリティ対策の1つといえます。しかし、パソコンやファイルサーバーがウィルスなどの不正プログラムに汚染され場合、バックアップデータも含めて使用不能になる可能性があります。

そのため、ウィルス対策に優れたバックアップソリューションやソフトウェアの導入も検討することも考えます。

データを安全にバックアップするならArcserve がおすすめ

Arcserveは、PCサーバーのバックアップ・リカバリー、およびデータファイルの複製を行うクラウド型のオールインワンデータ保護・管理ソリューションです。

オンラインストレージやオンプレミス、業務の規模、複雑さに関わらず、堅牢なバックアップ運用を可能にします。
デジタル攻撃からのサイバーセキュリティに優れており、いつでも、どこでも、どんなときでも、安全な情報アクセスを可能にするソフトウェアです。

強力なバックアップでデータ損失を防止
Arcserveはクラウドベースの管理インターフェースにより、重要なファイルやデータをバックアップして、データ損失を防止できます。
シンプルで拡張性のある設計は、ビジネスニーズに合わせた効率的なデータ保護を実現。危機が起きても直ちに復旧し、ビジネスの損失を防ぎます。

コスト効率の良いクラス最高のデータ保護を実現
Arcserveはクラス最高のデータ保護ソリューションでありながら、コストパフォーマンスに優れています。
業務案件によって、コスト効率や使い勝手のよいツールをさまざまなサービスから選択できます。

ランサムウェアを未然に防ぐ保護戦略
Arcserveは対価を目的とした悪意のあるランサムウェアを未然に防ぐ保護戦略に優れています。
ランサムウェアからシステムやデータを確実に保護し、迅速に復旧します。さらに多層的なアプローチによりサイバー攻撃を無効化し 、継続的なビジネスを実現します。


 

5併用することでバックアップをより強固にする3つの技術

併用することでバックアップをより強固にする3つの技術

これまで解説してきたように、バックアップの方法や保存先も進化を遂げる中、バックアップをより強固とするための技術がいくつかあります。

これらの技術を通常のバックアップと併用することで、障害にあってもシステムの復旧がより簡単になります。

代表的な3つの技術を紹介しましょう。

5-1.  ファイルサーバーのレプリカを作成する「レプリケーション」

レプリケーションとは使用しているファイルサーバーの「レプリカ」を作り、データの複製をリアルタイムで作成する技術です。

データの保存先「遠隔地バックアップ」でも解説していますが、メインで利用しているファイルサーバーにトラブルが起きた場合、レプリカを用いることで、瞬時に同じシステムを復旧させることができます。

バックアップとの違いは、データがリアルタイムで更新されていくので、特定の時点に戻ることができないことです。

また、メインのファイルサーバーがウィルス感染してしまった場合でも、元のシステムに戻すことが出来ません。

そのため、レプリケーションは他のバックアップと併用することで、性能を最大限に発揮することができます。

5-2. 2つのHDDにデータを書き込んでいく「ミラーリング」

ミラーリングとは、2つのHDDに同じデータを保存する技術のことです。
同じファイルサーバー内に組み込み、同時にデータを書き込んでいきます。
1つのHDDが故障した場合、片方のHDDが残っているので、システムが止まることがありません。
レプリケーションではファイルサーバーと同じシステムをもう1つ用意する必要がありますが、ミラーリングの場合はHDDを用意するだけです。
そのため、コストがかからないという点が優れています。

しかし、同一ファイルサーバー内に存在するため、衝撃や災害に合った場合、同時に破損するというデメリットがあります。
物理障害に弱いことからも、災害に備えるなら他のバックアップと併用することが必要でしょう。 

5-3. データのイメージを保存するスナップショット

スナップショットはデータを丸ごとコピーするのではなく、ある瞬間のイメージを保存する技術です。

データが変化した時点(部分)だけを時間ごとに記録する技術で、保存するデータは通常のバックアップに必要な容量の10分の1程度ですむようになります。
そのため、通常のバックアップよりもはるかに短い時間で終了します。

ウィルスに感染した場合でも、前の状態にすぐに復元できるので手間がかかりません。
ただし、イメージが記録されるのが同一ストレージ内なので、システムそのものが破損してしまうと、データの復旧は難しくなります

他のバックアップと併用して利用することで、強固なバックアップとなります。

6. まとめ

ファイルサーバーのバックアップについてお分かりになりましたでしょうか。
最後にファイルサーバーのバックアップについてまとめてみましょう。

ファイルサーバーのバックアップとは
ファイルサーバーのバックアップとは、万が一のトラブルに備えるため、ファイルサーバー内のデータやファイルのコピーを作っておくことを指します。

バックアップは状況に応じて3つの方法を使い分けます。

ファイルサーバーバックアップ3種類の方法
種類バックアップの範囲バックアップの所要時間
フルバックアップファイルサーバー内のすべてデータの量が多いと、かなり時間がかかる
差分バックアップ前回フルバクアップした時点からの更新部分フルバックアップよりは時間がかからないが、フルバックアップを行うまでデータが増え続ける
増分バックアップ更新された部分のみ一回のバックアップするデータ量が少なく、時間がかからない。

ファイルサーバーのバックアップデータの保存先
ファイルサーバーのバックアップデータの保存先は大きく分けて次の4つです。

バックアップデータの保存先と特徴
HDD・SSD手軽で安価に導入可能、物理的障害に弱く寿命は短い
磁気テープ書き込みも早く、大容量で長寿命だが初期コストが高い
クラウドストレージ物理障害がなく利便性が高いが、大容量だとコスト高になる
遠隔地バックアップ災害リスクが低く、強固なバックアップが可能※保存媒体としてはテープやクラウドを利用

ファイルサーバーのバックアップデータの保存先を選ぶポイントの比較
ファイルサーバーの保存先バックアップデータの保存先を選ぶポイントを比較すると次のようになります。

バックアップデータ比較
 磁気テープHDD・SSDオンラインストレージ
容量
長期保存
災害対策
おすすめする用途データアーカイブ日常的に使うデータ

ファイルサーバーのバックアップは、企業のリスクマネジメントとして最重要課題ともいえるでしょう。

継続的なビジネスのため、最適なバックアップを選択する参考になれば幸いです。

コメント

ダウンロードして、その実力を実際にお試しください。当社の高性能で革新的な製品およびソリューションで、IT管理におけるリスクと複雑さを低減しましょう。
無償トライアルを試す
無償トライアルを試す