建設業や製造業では、取り扱う図面が日々増えていく一方です。建設業においては建築士法*1によって関連書類を15年間保存することが義務付けられているほか、製造業では製造物責任(PL)法*2によって損害賠償請求できる期限が当該製造物を引き渡したときから10年と定められているため、その間のデータ保存が必須となり、図面データの大容量化は避けて通れません。
こうした中、建設や製造デザインの多様化や開発期間の短縮化などに伴い、設計業務の効率化が強く求められています。この記事では、増え続ける図面の管理を効率的に行う方法をご紹介します。
*1 建築士法とは、建築物の設計、工事監理に当たる技術者の資格を定め、業務の適正化、建築物の質の向上を目的とする法律のこと。建築士法により建築士事務所の開設者は一定の図書について15年間保存することが義務づけられています。
*2 製造物責任法とは製造物の欠陥が原因で生命、身体又は財産に損害を被った場合に、被害者が製造業者等に対して損害賠償を求めることができることを規定した法律です。この法律による損害賠償請求権は、原則として損害および賠償義務者を知った時から3年間行使しない時、または製造業者等が当該製造物を引き渡した時から10年を経過したときは、時効によって消滅します。
目次
1.図面を管理する上での課題
設計や建築など、「ものづくり」の現場では、業務の中心となる図面が紙で管理されているケースをよく見かけます。また、図面がデータ化されていても、部門や事務所ごとに個別のファイルサーバーで管理され、他部門や外部パートナー、クライアントとのデータ共有が有効に行われていないことも散見されます。このため、最新版の図面を取り違えて設計ミスや誤発注にもつながるケースがあるほか、目的の図面がなかなか見つからず、場合によっては同じものを再度作成し直すといった非効率的な事象も発生しているのが現状です。
図面を管理する上での重要な課題は以下の通りです。
紙の場合 | ・必要な図面がすぐに見つからない |
・保管場所の確保が困難になってきた | |
・紙が劣化、破損し、読めない/コピーしても不鮮明 | |
データの場合 | ・最新版のデータかどうか、判断がつかない |
・設計の進捗状況がわからない | |
・間違えてデータを上書きしてしまった | |
・ファイルを削除してしまった | |
・部門ごとに管理しているため、関連部門との共有が難しい | |
・図面情報が漏洩してしまった可能性がある | |
・各自ばらばらに保存し、図面の再利用が進まない |
2.図面管理を効率的に行うための4つのポイント
こうした様々な課題を解決するためには、図面を「データ」として管理する方法をお勧めします。
従来のように図面を「紙」に出力してファイリングするよりも、データとして管理するほうがはるかに効率的だからです。
この章では、図面データの管理を効率的に行うための4つのポイントをご紹介します。
図面管理を効率的に行うための4つのポイントを実行すると、前述の課題に対応することができます。
2-1. 紙図面をスキャンしてデータ化する
紙だけの保存ではなく、スキャンしてデータ化し、図面データとしても管理するのが望ましい方法です。閲覧や検索が容易になり、紙の保管場所を縮小できるほか、紙の劣化による図面の見づらさを回避できます。
紙図面のデータ化手順は以下の通りです。
【手順】スキャナや複合機などを用いて紙画面をスキャンしたのち、
1.PDF化して保存する(編集不可)2.CADデータに変換して保存する(編集可能)
の2種類が可能になります。
1.については、フリーソフトなどで画像データを簡単にPDF化することが可能です。
2.については、自分でCADデータに変換しようとすると複雑な手間と時間がかかるため、専用ソフトを使用するという方法もあります。
2-2. 図面ファイルの命名ルールを統一する
図面データを管理する場合、ファイルの命名ルールを統一することで検索効率が大きく向上します。図面を探す際、プロジェクト名、図面の種類、図面名、バージョン、更新日などで検索する人が多いと思います。ファイル名に検索キーワードが含まれていれば、検索が容易になります。膨大な量の図面からある程度絞り込むことができ、作業時間を大幅に短縮することができるのです。
ルールに沿った名前の付け方とは、たとえば「図面の種類_図面名_図面番号_リビジョン_更新日」のようなイメージです。
また、図面は作成して終わり、ではありません。クライアントからの依頼によって、大幅な変更や微調整が行われることも頻繁にありますし、関連部門からの調整がはいることもあるでしょう。以前のバージョンのほうがよかった、ということもしばしば起こるので、過去のデータ履歴も残しておく必要があります。
2-3. 図面の属性ごとに共有フォルダを作成・整理する
図面ファイルの命名ルールを決めるだけでなく、保存フォルダのルールを決定することも重要です。図面を属性で分けた上で、属性ごとにフォルダを作成します。たとえばプロジェクト名をフォルダ名に採用するとわかりやすいでしょう。図面の作成者は、該当する属性フォルダに図面を保存します。もし、既存の属性に合致しない図面が出てきた場合は、一時フォルダに保存した上で、ルールに沿って新規作成したフォルダに保存します。これにより、効率的なフォルダ管理が実現します。
★ブログ「ファイルサーバーを整理する4つのコツと手順」も参考にしてみてくださいね。
2-4. 社内ではファイルサーバーを、外部との共有にはセキュリティ重視の法人向けクラウドストレージを利用
図面は、部門間やクライアント、パートナー企業など企業間で共有する必要があります。図面共有のためのルールをあらかじめ決めておきましょう。部門間で共有する場合は重い添付ファイルをつけてメール送信するのではなくファイルサーバーを利用することで、図面共有に要する時間を短縮できるほか、誤送信も防げます。また、社外の人と図面データを共有する場合は、個人向けの無償版ではなく、セキュリティを重視した、有償の法人向けクラウドストレージ等を利用するのがよいでしょう。
3.図面管理の具体的な方法
2章では、図面データの管理を効率的に行うための4つのポイントをご紹介しました。
3章では、これらのポイントを実現するための図面管理の方法についてご紹介します。
図面データを管理する方法には、
・自社で独自に管理する
・専用の図面管理システムを利用して管理する
の2種類があります。
それぞれの図面管理方法について、データ保存先、メリット・デメリットを表にまとめてみました。
方法 | 保存先 | メリット | デメリット |
自社で独自に管理 | サーバー | すぐにアクセスでき、検索が容易 | 部門間や外部との情報共有が困難 |
セキュリティが確保されている | 購入や運用に費用がかかる | ||
磁気テープ | 大容量で安価 | 部門間や外部との情報共有が困難 | |
長期保存に適している | 長期間保存すると劣化する | ||
セキュリティが確保されている | 盗難/情報漏洩のリスクがある | ||
持ち運びしやすい | 保管場所が必要 | ||
外部記憶装置 | 手軽に保存できる | 部門間や外部との情報共有が困難 | |
場所をとらない | 盗難/情報漏洩のリスクがある | ||
持ち運びしやすい | 比較的高価 | ||
クラウド | 初期費用なしで保存できる | 長期間利用だと割高になる | |
災害対策に適している | セキュリティ面に懸念がある | ||
専用の図面管理システムを利用 して管理 | サーバー | セキュリティが確保されている | 初期コストがかかる |
インストール、メンテナンスが必要 | |||
サーバー/クラウド共通 | 閲覧や検索など、管理が容易 | ── | |
スピーディな図面検索が可能 | |||
正確なバージョン管理が可能 | |||
効率的なフォルダ管理が可能 | |||
効率的な情報共有が可能 | |||
クラウド | インストールやデータ保存場所が不要 | 長期間利用だと割高になる | |
セキュリティ面に懸念がある |
製図を行う場合、昔ながらの「製図台」を利用するケースと、CAD(Computer Aided Design:コンピュータ支援設計)ソフトを利用するケースがあります。
いずれの場合も、これまでは紙に出力して保存する方法が多く採用されてきましたが、最近では、
・紙図面をスキャンしてデータ化する
・CADソフトで作成したCADデータから、PDFなど、共有可能なデータ形式に変換して保存する
といった方法で図面のデータ化が進んでいます。
(CADの場合は、プリンタを使って紙に図面を印刷する以外に、DWF、DXFなどのファイル形式でCADデータを出力します。)
こうした図面データの、それぞれの管理方法についてご説明します。
3-1. 図面データを自社で独自に管理する
小規模な設計事務所や、図面データの数が少ない場合は、2章で述べた「図面管理を効率的に行うための4つのポイント」のすべてを満たす必要はないかもしれません。専用システムを使用せず、自社で保存・管理することも可能です。
図面データの保存先は
・社内サーバー
・磁気テープ
・外部記憶装置(CDROM、外付けHDD/SSD等)
・クラウド
など、選択肢は様々です。目的に合った保存先を選びます。
●現在進行中のプロジェクトで、頻繁に使用する図面データの管理には「社内サーバー」
【メリット】データ化された図面は、社内のファイルサーバーなどに保存すると、検索が容易で、必要な図面をすぐに閲覧することができます。
【デメリット】サーバーを新たに導入する場合はそのぶん費用がかかるほか、運用や管理のための人員確保も必要です。
●長期保存目的の図面データには「磁気テープ」
【メリット】磁気テープは大容量データの保存が可能な上、比較的安価に購入できます。検索には不向きですので、すぐに使用する予定のない古いデータのアーカイビングに適しています。
【デメリット】保管場所の確保が必要になります。また、10年ほどで劣化するため、定期的に新しい保存先へのバックアップが必要です。
★磁気テープへのバックアップについては「実はGoogleも採用するテープバックアップとは?メリットや活用ケースまとめ」もご参照ください。
●現場ですぐ見たい図面データには「外部記憶装置」
【メリット】CD-ROM、USBメモリ、外付けHDDやSSDなどの外部記憶装置は、小型で持ち運んで使用するのにも便利であるため、社外で図面データを使いたい場合などに便利です。
【デメリット】小型で持ち運びやすい反面、落としたり置き忘れたりしてしまう可能性もあり、しっかりと管理しておかないと情報が漏洩してしまうリスクもあります。
●関係者がどこからでも閲覧可能、アクセス重視の方には「クラウド」
【メリット】クラウドの場合は、サーバーや磁気テープ、外部記憶装置等の機器の購入が不要であるため、初期費用を安価に抑えることができます。
【デメリット】データのアップロードやダウンロードに時間やコストがかかる場合があり、要注意です。また、クラウドでの図面データ保存は、第三者からの不正アクセスによる情報漏洩やデータ改ざんなど、セキュリティ面で不安を感じる利用者の方もいらっしゃることと思います。個人向けの無料クラウドストレージではなく、クラウド事業者の提供する商用サービスを、セキュリティレベルや対策を十分に確認した上で契約することをお勧めします。
3-2. 図面管理システムを利用して管理する
図面管理システムとは、複数の2D図面を総括的に管理するためのシステムで、複数メンバーでの製品設計の場合などに最適です。
ものづくりの現場では、図面データだけでなく、仕様書、作業手順書、検査書類など様々な文書、書類が発生します。このような関連する様々な情報を一元的に管理することができるため、図面管理システムを導入する企業が多いのです。図面管理システムを利用すると、データベースを利用した保存・管理・検索等が可能になるため、紙での保存や図面管理システムを利用しない場合にくらべて、効率が大幅に向上します。
図面管理システムを利用すると以下のことができるようになります。(製品によって機能は異なります)
<一般的な図面管理システムでできること>
検索機能 | 図面番号、機種名、作成者、承認者など、様々なキーワード(属性)で検索可能 |
バージョン管理 | 図面の版(バージョン)情報を自動で管理し、常に必要な版の図面を取り出せる |
ワークフロー管理 | 図面データの承認を電子化し、承認業務の流れを可視化することで、業務の効率化を支援 |
ユーザー管理 | CSVによるユーザーの一括登録・変更が可能 |
権限管理 | フォルダや図面単位でのアクセス権限、編集権限の設定が可能 |
CAD統合機能 | CADなどで作製された図面情報を一元管理することができ、複数メンバーでの製品設計が可能。CADデータの登録時にPDFやTIFFでイメージデータを自動生成 |
図面プレビュー機能 | CAD専用のビューワを必要とせず、簡単にプレビュー表示が可能 |
チェックイン/チェックアウト機能(排他制御) | 図面データを変更する場合は、チェックアウト機能によりサーバーから対象のデータを取り出し、変更中のデータは、他のユーザから閲覧はできるが変更はできない。データの変更後、チェックインを行うと自動的に変更履歴が追加 |
変更管理 | 2枚の図面データを重ね合わせ、変更箇所を視覚的に確認することが可能 |
図面管理システムには、専用のソフトウェアを購入して社内導入する「オンプレミス型」と、「クラウド型」のサービスがあります。設計部門で求められるBOM(Bill of Materials:部品表)のような構成情報管理や、会社全体で求められるPDM(Product Data Management: 製品データ管理)のような生産管理システムや基幹システムとの連携など高度な機能を搭載したものや、もっとシンプルな機能だけのものもあります。
いずれもソフトウェア費用またはサービス利用費用が発生するため、それぞれの特徴を理解した上で、会社の規模や図面データの量、共有先などを踏まえ、自社の図面管理に最適なシステムを選択してください。
★おすすめの図面管理システムは?
たとえば『Autodesk Vault』という生産性を高める PDM(製品データ管理)ソフトウェアを利用する場合、上記の機能がそろっているので安心です。プロジェクトの関係者全員が一元管理されたデータを使って作業を進めることで、効率的なコラボレーション、エラーの削減、時間の節約が実現します。オートデスクの設計ツールと統合されているほか、社内外のチームとの連携も容易です。
4.図面管理で注意すべきこと
建設現場や工場などで図面を確認する場合があります。
図面管理システムを現場で利用する場合の注意点をご紹介します。
- CADデータをPDF化する
CADで作成されたデータは、CADソフトの環境下でなければ正常に開けないことがあります。PDF形式に変換することで、容量を小さくすることができるだけでなく、より多くの環境で図面を見られるようになり、Webブラウザを使ってどこからでもアクセスして閲覧可能になります。 - マルチデバイス対応のシステムを構築・選定する
社内で利用する場合はPC、建設現場ではiPadなどのタブレットで閲覧できると便利です。様々なデバイスに対応した仕組みづくり、またはシステム選定をしましょう。 - セキュリティ対策を徹底する
PCやタブレットを使用した外部からのアクセスを前提に、ファイルごとのアクセス権限の設定が必須です。図面データは企業の重要な機密情報である場合が多いため、たとえ社員や関係者であっても、誰もが簡単にアクセスできるものであってはなりません。図面を閲覧・編集するための権限を付与することでアクセス制御ができ、重要な情報を改ざんや流出から守ります。最近では、小型のサーバーを現場に設置し、その場で図面データや写真を保存するケースも見かけますが、現場には様々な人が出入りしますので、置き忘れや盗難などの被害も想定し、サーバーやデバイス自体へのセキュリティ対策は万全にしておきましょう。
- ランサムウェアの脅威や災害に備え、図面データのバックアップを行う
電子化した図面データは、必ずバックアップを取っておきましょう。長期保管用の古いものはテープに、比較的新しいものは検索しやすい社内のファイルサーバーにバックアップするのがお勧めです。ランサムウェアなどサイバー攻撃への対策やBCP(事業継続計画)の観点で、いざという時にすぐ事業を再開できるよう、昨今ではバックアップに加え遠隔地やクラウドに複製(レプリケーション)を行う企業も増えてきています。
5.図面データバックアップにお勧めの製品
建設会社においてもランサムウェアの脅威は大きな課題となっています。社内には、重要な情報資産である図面データに加え、顧客やパートナーとの取引情報や社員の人事情報など、社内サーバーには様々なシステムやデータが存在し、これが使えなくなると事業継続が困難になってしまいます。
図面データのバックアップが重要なのは、ウイルス感染前の健全なデータのバックアップさえ残っていれば、感染時にはそこからファイルを復旧して、業務を早急に再開することが可能だからです。業務サーバー、ファイルサーバー、アプリケーションサーバー、メールサーバーなどは、確実にバックアップを取っておく必要があります。
実際にランサムウェアの被害を受けて、身代金を支払わずにサーバーを復旧させた建設会社の事例をご紹介します。
・同社の対応 1. 被害の少なかったサーバーから復旧を進め、一部のサーバーはバックアップからデータを復元。 2. メールサーバーの被害が大きかったため、外部臨時メールシステムを契約。 3. 3000台の社員用PCは最新版のウイルス対策ソフトをインストール、パターンファイルの更新を進める。 |
同社の対応に見られるように、ランサムウェアの脅威に対応するには、
・感染しないためのセキュリティ対策を強化すること
・バックアップをとること
この2つがとても重要です。
5-1. Arcserve UDPで図面データをバックアップ
バックアップにお勧めの製品として、バックアップソフトウェア「Arcserve UDP」をご紹介します。
ランサムウェア対策の機能を随時取り込んでバージョンアップしている「Arcserve UDP」がお勧めです。
「Arcserve UDP」には利用できる機能に応じていくつかラインアップがありますが、「Arcserve UDP Premium Edition」を購入すると、標準的なバックアップ機能やイメージバックアップ機能のほかにレプリケーション機能もご利用いただけるので、図面データのバックアップ時にも安心です。
<建設会社でのArcserve UDPを利用したバックアップ事例>
以下に、建設会社2社のArcserve UDPを利用したバックアップ事例をご紹介します。
★Arcserve UDP Premium Editionを活用したバックアップ事例
- 課題:同社が管理しているのは、住宅の写真データ、CAD データをはじめ、日々の業務データなど重要な企業資産です。比較的容量の小さいデータが数多く存在し、年々そのボリュームは増加の一途をたどっていました。
- 選択:バックアップ速度の向上とデータ保護の柔軟性を評価して Arcserve UDPを選択。一次バックアップデータを遠隔地にレプリケーションして災害対策を行いたいと考えていた同社は、Arcserve Replicationも利用できる「Arcserve UDP Premium Edition」を選択。
- 効果:バックアップスピードの向上と、遠隔地へデータを転送する災害対策の強化により、データ資産を速やかにリカバリできる盤石な体制が完成しました。
★図面や工事現場の写真など重要なデータ資産を格納したファイルサーバーの遠隔バックアップに成功
- 課題:作業所にあるファイルサーバーでも、図面や工事現場の写真など重要なデータ資産を格納している同社では、現場の作業員に負担をかけることなく、災害に備えたファイルサーバーのデータ保護を実現することを追求していました。
- 選択:650台にもおよぶサーバーを効率的に遠隔バックアップできるソリューションとしてArcserve UDP を選択。
- 効果:災害時にも動じない体制が整ったほか、支店におけるデータバックアップ業務時間が大幅に減ったと言います。また、バックアップデータが集約され、完成した工事データを長期保管して有効活用できる体制が整いました。
まとめ
ここまでお読みいただきありがとうございます。
図面管理の効率的に行うことの必要性と方法をご理解いただけたでしょうか?
図面管理を効率的に行うためのポイントをもう一度確認しましょう。以下の4つです。
- 紙図面をスキャンしてデータ化する
- 図面ファイルの命名ルールを統一する
- 図面の属性ごとに共有フォルダを作成・整備する
- 社内ではファイルサーバーを、外部との共有にはセキュリティ重視のクラウドストレージを利用する
これらを実現するためには、会社の規模や図面の数に応じて管理方法を考える必要があります。
- 比較的小規模な設計事務所や、図面データの数が少ない場合は、自社のファイルサーバーなどを活用して、ルールを決め、効率的な管理をしましょう。
- 扱う案件が大規模で図面データが膨大である場合、あるいは関連する部門や外部パートナーが多い場合は、データの一元管理やアクセス権限の設定など豊富な管理機能を備えた「図面管理システム」の利用が最適です。
そしてもう1点、建設や製造などものづくりの現場で忘れてはならないのが、データ化した図面のバックアップです。用途や目的に応じて、最適な方法でバックアップを取ることで、サイバー攻撃や災害、人的ミスなどでデータを損壊、紛失してしまった場合でも素早く復旧して業務を再開することができます。
この記事を参考に、図面管理の効率化と安全な活用を目指していただけたら幸いです。
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