サーバーリプレースとは?安全・確実に実現するためのポイントまとめ

あなたの会社ではサーバーリプレースの予定はありますか?

PCと同様、サーバーも消耗品です。長期間利用していると、やがて「これ以上使い続けるのは無理」というタイミングがやってきます。ぎりぎりまで使い続けると、処理能力が低下し、業務の遅れが発生するかもしれません。最悪の場合、突然故障して業務がストップしてしまうことも想定されます。そうならないためにも、余裕をもって早めに新しいものに切り替える準備が必要です。

 ここでは、特にサーバーリプレースについて、なぜ必要なのか、いつ行うべきか、具体的な作業手順を踏まえながらご説明します。

1.サーバーリプレースとは

ファイルサーバーやWebサーバー、メールサーバーなどを利用している企業では、サーバーリプレースは避けて通ることができません。そもそも「サーバーリプレース」とはなんでしょう?

 サーバーリプレースとは、稼働中のサーバーから別に用意された新しいサーバーへ交換する作業のことです。

 いま稼働しているサーバーを入れ替える「サーバーリプレース」という作業は、その後の業務内容やシステム規模の変化、運用方法、さらにはそのハードウェア上で稼働するソフトウェアの見直しまで含む必要があるため、非常に重要で、複雑で、時間とコストのかかる工程と言えるでしょう。この工程を間違いなく、効率よく進めるために、知っておくべき基本的なことをご紹介します。

2.サーバーリプレースが必要になる理由

いま安定稼働しているサーバーを止めて新しいものに入れ替えるのは、気が進みませんよね。時間もコストもかかりますし、トラブルが発生するかもしれません。それでもサーバーリプレースが必要になる理由をご紹介します。主に以下の2種類が想定されます。

・ハードウェアの老朽化
・ハードウェアやOSのサポート終了

それぞれについて解説します。

2-1. ハードウェアの老朽化

年月を経て老朽化したサーバーを使い続けるとどうなるでしょう。
ハードウェアの老朽化が原因で起こりうる困ったことは、主に次の2種類です。

①サーバー処理能力低下による業務の遅れ
サーバーの処理能力が低下し十分な性能が発揮できなくなると、業務スピードに影響を与えます。また業務拡大に伴い、データが急増し処理作業が複雑化した場合にも、処理能力の足りない古いサーバーでは性能が追いつかないということが考えられます。

②突然の故障により業務がストップ
古いサーバーをそのまま使い続けた結果、突然故障して業務が止まる、あるいはサーバーがダウンして重要なデータを破損してしまう、といった危険が想定できます。 

こうしたトラブルの原因は主にサーバーの老朽化による性能不足にあります。これを補うため、一時的にディスクを増設するなどして急場をしのいだとしても、根本的な解決とは言えません。そのまま使用し続けて業務に影響が出てしまう前に、古いサーバーを新しいものに取り換えることを検討する必要があるでしょう。

2-2. ハードウェアやサーバーOSのサポート終了

また、ハードウェアやOSのサポートが終了した場合もリプレースを検討する必要があります。

①ハードウェアのサポート終了
サーバーのサポート切れとなった場合は、メーカーからの支援が受けられなくなります。部品の交換や修理をすべて実費で行わなくてはなりませんし、部品の販売が終了することもあり、そうなると交換もできなくなり、業務がストップしてしまいます。

②サーバーOSのサポート終了
既存サーバー上で利用中のOSのサポートが終了すると、メーカーからセキュリティパッチが発行されなくなります。これを使い続けることで、セキュリティ面での不具合が生じてしまい、サイバー攻撃の危険が高まります。また、セキュリティを強化した最新のOSやソフトウェアをダウンロードしたとしても、サーバー側がそのスペックを満たすことができず、OSやソフトウェアの性能を十分に引き出せない場合もあります。

3.サーバーリプレースのタイミングを判断する6つのポイント

サーバーが動いているからといって古いものをそのまま使い続けることにはリスクが伴います。場合によっては業務が停止する可能性もあります。以下の6項目のいずれかひとつでも心当たりがあれば、サーバーリプレースを考える時期が来ているかもしれません。

1.導入から5年以上経過した
サーバーは減価償却資産*としての耐用年数が6年と定められていることから、メーカー側も最低6年間は正常に運用できるように設計しています。しかし、利用頻度や処理量などによっては経年劣化が早く進んでしまうケースもあります。そこでサーバーリプレースの目安を「導入から5年程度」と考えるユーザー企業が多くなっています。
* 事業などの業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産は、一般的には時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。(国税庁サイトより)

2.サポート切れまであと1年になった
ハードウェアまたはサーバーOSの保守切れまでまだ1年あるから大丈夫、とお考えですか?実はサーバーリプレースには1年以上かかることが多いのです。サポート期間内に余裕をもってリプレースが完了できるよう1年以上まえから計画を立てることが必要です。

3.処理スピードが以前より遅くなった
経年劣化やデータの増加などの要因もあり、顕著に動作や処理スピードが遅くなることがあります。処理スピードの劣化はサーバーリプレースが必要なサイン。業務に支障が出たら要注意です。

4.故障が頻発している
負荷の高い作業を行うサーバーでは、そのハードウェア部品も経年劣化の影響を大きく受けやすくなり、導入から5年以内でも故障が起こりやすくなります。とくに、ハードディスクは24時間365日稼働し続けると、4年から5年で故障する可能性が高いと言われています。

5.容量不足
アプリケーションの追加や更新には容量が必要です。たとえば、サーバー上で稼働しているOSやアプリケーションを最新版に移行すると、メモリ不足になって正常に動作しない場合があります。このため、既存のサーバーではなく、新しいサーバーに新しいOSやソフトウェアをクリーンインストールしたいという要望を持つ企業も少なくありません。サーバーのサポート契約切れが近づいているのであれば、性能面からみてもサーバーOSやアプリケーションと同時にハードウェアもリプレースするのがよいでしょう。実際、サーバーベンダーの事例を見ると、2020年1月でサポート終了となったWindows Server 2008からWindows Server 2016へ移行する際に、サーバー本体を刷新した事例が多くみられました。

.交換部品が調達できない
サーバーが故障した場合、古くなったサーバーの部品の一部には、在庫が少ないため調達までに時間がかかることがよくあります。場合によっては製造終了していることも。交換部品の調達が困難になる前に、新しいサーバーに移行しておくことが賢明です。

★このほか、サイバー攻撃への対応を強化するために、サーバーを刷新するケースがあります。上記6つのポイント以外に、重要なのがサイバー攻撃の脅威への対応です。サイバー攻撃は日々巧妙化し、進化しています。昨今では、サーバーのファームウエアを狙ったサイバー攻撃や、製造から移送・流通工程などでのセキュリティ脅威も発生しています。ネットワークやソフトウェアだけでなく、ハードウェア自体のセキュリティ対策が不十分だと、サイバー攻撃の対象となる恐れがあります。シリコンチップレベルでセキュリティが強化され、サーバーのライフサイクル全体をセキュアに保てる最新製品を選択することを検討しましょう。

4.サーバーリプレースの手順

サーバーリプレースの手順は、主に以下の10段階になります。

ここでもっとも重要になるのが、目先の業務だけでなく、サーバーリプレースの目安となる5年先を見据えることです。今後5年間に起こりうる市場や業務内容の変化、事業拡張、データ量や利用者数の増大などに応じたシステム選定を行うことが、サーバーリプレース成功のカギとなるのです。

※一般的なシステム移行の手順や方式はこちらの記事をご参照ください。
失敗しないシステム移行!これだけは知っておくべきポイントと手順

5.サーバーリプレースの期間

従来の環境をどの程度残すのか、あるいは刷新するのかによって、必要な期間や手間も変わってきます。
サーバーリプレースでは、主に以下の6パターンが想定されます。

一般的に、サーバーリプレースを決定してから最終的に新しいサーバー上で業務をスタートするまでには、1年以上かかることが多いですが、これは上記の③~⑥の「比較的長期」または「長期」に該当します。もし、これに該当する内容でのサーバーリプレースを検討されている方で、2023年10月10日にサポート終了するMicrosoftのサーバーOS「Windows Server 2012」および「Windows Server 2012 R2」を搭載したサーバーをご利用中でしたら、遅くとも2022年9月にはサーバーリプレースを含めた検討を開始すべき、ということです。

6.費用はどのくらい見積もるべき?

では、サーバーリプレースの費用はどのくらいを見積もっておけばいいのでしょうか? 
たとえばスモールビジネス(1~25名程度)の場合、エントリーレベルのサーバー本体とOS、バックアップソフトだけで50~100万円はかかるでしょう。このほかネットワーク機器、メモリの追加、保守サービスなど、必要に応じてコストが発生します。

移行先が物理環境か、仮想環境か、クラウドか、によってリプレースにかかる費用は大きく異なります。物理環境の場合は、サーバーのスペックや台数にもよりますし、要件をすべて満たす最新のサーバーを選択すれば、初期費用は高くなりますが、コストパフォーマンスの向上によりトータルなコストを削減することも可能です。

一般的な物理環境でのサーバーリプレースには以下の費用がかかります。

1.ハードウェア
・サーバー本体
・関連機器(ネットワーク機器、ストレージなど)

2.ソフトウェア
・OS
・ミドルウェア
・アプリケーション

3.その他(インストール、運用サポート等)
・外注の場合も社内リソースを活用する場合も、人件費も想定しておかなくてはいけません。

★サーバーの調達には購入だけでなくリース契約という方法があります。
リース契約は、IT機器だけでなくソフトウェアやシステム開発費用にも使うことができ、多くの企業で活用されている契約方法です。

  • リース契約のメリット
    購入費用が不要で経費計上できます。サーバーなど高価なIT機器を購入した場合は資産計上され固定資産税の対象となり税金が掛かりますが、リースの場合は経費に計上され固定資産税の対象となりません。
  • リース契約のデメリット
    現金購入時より総額は割高になるほか、中途解約が難しい、修理費用は負担しなければならない、などの注意点もあります。

7.サーバーリプレースの注意点

サーバーリプレース時に注意すべきなのは主に以下の4点です。

  1. 早めに検討を開始すること
  2. データを安全に移行すること
  3. サーバーの停止時間を最小限に抑えること
  4. 移行後、問題なく業務が再開できること

7-1. 早めに検討を開始すること

サーバーリプレースには、コストや作業への影響も含め、社内全体の調整が必要になります。また、既存の環境をどのくらい残すのか、もしくは大きく刷新するのかによって、リプレースにかかる期間やコスト、手間が変わってきます。このため、1年以上の余裕をもって、少しでも早くリプレースの検討を始めるのがよいでしょう。ハードウェアやOSのサポート切れ直前にあわてて新しいサーバーに移行するのではなく、時間に余裕をもって計画を立てることをお勧めします。

7-2. データを安全に移行すること

リプレース時にもっとも気をつけなければならないことは、データを安全に移行することです。たとえばファイルサーバーの場合、移行中になんらかの障害が発生してしまうと、移行しようとしているデータの一部だけでなく、ファイルサーバー内のデータすべてが破損する恐れがあります。こうしたリスクに備え、データ移行の手順を整えると同時に、通常運用の延長として最新のデータのバックアップを取ることが重要です。また、障害発生時を想定しバックアップからの復旧手順も決めておく必要があります。いざという時に業務が停止してしまわないよう、注意しましょう。

※サーバーリプレース時のバックアップとデータの移行のしかたについては、8章で補足させていただきます。

7-3. サーバーの停止時間を最小限に抑えること

サーバーを移行する作業中は既存サーバーを停止する必要があります。そのサーバーで提供しているサービスが企業の要となる事業であれば、短時間のサーバー停止期間であっても収益への影響が出てしまいます。停止時間を最小限に抑え、業務への影響を極力減らすことが必要です。深夜や連休期間中など、業務やサービスにとってもっとも影響が少ない時期にサーバー移行をする企業が多いのはこのためです。

7-4. 移行後、問題なく業務が再開できること

サーバー移行後も、問題なく業務やサービスを再開する必要があります。サーバーリプレースによって稼働中の業務システムやサービスに影響を出さないため、十分なテストを行い、並行運用期間を設けるなどの対策を取りましょう。

8.サーバーリプレース時のバックアップとデータ移行の方法

データを安全移行するために必要なバックアップとデータ移行の方法についてご紹介します。

8-1. バックアップ

サーバーリプレース時のバックアップには、コストメリットに優れた「アプライアンス」がお勧めです。

上記7-2.でデータ移行中のトラブルに備えてバックアップが必要、と説明しました。既存サーバー側でバックアップを取るだけでなく、移行先の新サーバーでもバックアップを取る必要がでてきます。安全な移行が確認できるまで「並行運用」をするのが一般的なので、その間、「バックアップソフトを2サーバー分用意しなくてはならないの?」というご心配の声もあると思います。ハードウェア一体型のバックアップ専用アプライアンス「Arcserve UDP Appliance」でしたら、サーバー台数に依存しない容量課金なので、一定の容量までは追加ライセンスなどは不要です。サーバー移行時のコストを減らすためにも有効活用してみてください。

8-2. データ移行の方法

サーバーリプレース時のデータ移行には、以下のような方法が考えられます。

①移行データが多くない場合にお勧め:
Windows Serverが持つ「DFSレプリケーション」での移行
DFSレプリケーションは、複数のサーバーやサイト間で効率的にフォルダをレプリケートできる、Windows Serverの役割サービスです。限られた帯域幅のネットワーク上で、複数のサーバー間のフォルダを同期するため、移行データが多くない場合に有効です。

②Windowsでファイルをバックアップする場合にお勧め:
Windows OSのコピー機能である「Robocopy」での移行
Windowsでファイルをバックアップするには、2つのフォルダの内容を同期させるrobocopyコマンドが便利です。robocopyではフォルダの同期機能をはじめ、さまざまなオプションを指定してコピーができます。データを移行した時点(静止点)の特定が容易ではないという注意点があります。

③「スピード」や「データを移行した時点(静止点)の特定」を重視する場合にお勧め:
レプリケーションソフトでの移行
レプリケーションとは、本番で運用中のサーバデータを、もう 1 台のサーバーに自動的に複製する仕組みです。手間をかけることなくデータを簡単に転送し、最新の同じデータを 2つのサーバーで同時に持つことができるため、サーバーリプレース時のデータ移行にも最適です。DFSレプリケーションやrobocopyではカバーしきれない、データ移行の重要なポイントである「スピード」や「データを移行した時点(静止点)の特定」といった面でも優れています。
 
Arcserve Replicationを活用して「Windows Server 2008 R2からWindows Sever 2012のへの 3.5TB のデータ移行」に成功したソフトバンク・テクノロジー株式会社の事例はこちらをご参照ください。

まとめ

ハードウェアの老朽化、ハードウェアやOSのサポート終了といったタイミングでサーバーリプレースを検討する企業が多いですが、それ以前であっても以下の項目にひとつでも該当する点があれば、早めに新サーバーへの移行を進めるのがよいでしょう。

・導入から5年以上経過した
・サポート切れまであと1年になった
・処理スピードが以前より遅くなった
・故障が頻発している
・容量不足
・交換部品が調達できない

前述のとおり、サーバーリプレースに1年以上かかる場合がほとんどです。ハードウェアのリプレースだけでなく、アプリケーションの作り直しなどを想定している企業は、特に早めに準備が必要です。たとえば「Windows Server 2012/2012 R2」は2023年10月10日にサポート終了を迎えるため、このバージョンのサーバーOSを利用している企業はすぐにも今後のプランを立てるべきです。自社のニーズや要件をしっかりと踏まえ、次のサーバーリプレースまで、数年先を見越してサーバーリプレースを成功に導いてください。

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